世界中に広がる地域貢献活動の取り組み

米国で再認識した地域社会とのつながりの大切さ

米国・ウィスコンシン州ウォルワースにしょうゆ製造工場を建設するための準備をすすめていた1971年、予期していなかった建設反対運動が起こりました。その背景には、しょうゆづくりに関する誤解などがあったのです。このため、町議会、郡議会、住民の集まりなどの場を通じて地元の方々としっかりと話し合い、環境への配慮や地域を大切にするキッコーマンの姿勢を伝えました。地域社会の理解を得て、1973年に出荷を開始したウィスコンシン工場は、現在でも米国の主力工場として高品質なしょうゆの製造をつづけています。

この経験は、その後のキッコーマングループの海外展開に大きな影響を及ぼしました。海外に拠点を設ける際には地域の方々とのコミュニケーションをしっかりと取り、地元雇用を中心とした経営の現地化をすすめ、良き企業市民として地域に貢献するよう努めています。

キッコーマン進出を歓迎するウォルワースの町中の横断幕 (1973年6月)

キッコーマン進出を歓迎するウォルワースの町中の横断幕
(1973年6月)

KIKKOMAN FOODS, INC. ウィスコンシン工場

KIKKOMAN FOODS, INC. ウィスコンシン工場

各国での取り組み事例

U.S.A. アメリカ合衆国(KIKKOMAN FOODS, INC.)

ラボラトリーのサイン(上)と入居する建物(下)

ラボラトリーのサイン(上)と入居する建物(下)

地元教育機関への寄付活動

ウィスコンシン州にあるKIKKOMAN FOODS, INC.では1993年に慈善基金団体である「Kikkoman Foods Foundation Inc.」を設立しました。この団体を通して、地元教育機関への寄付活動や災害義捐金の拠出を行っています。2013年、初出荷から40周年を迎えたのを記念し、ウィスコンシン大ミルウォーキー校ライフサイエンス学部が水資源について研究する“the Kikkoman Healthy Waters Environmental Health Laboratories”の設立に対して寄付を行いました。

The Netherlands オランダ(KIKKOMAN FOODS EUROPE B.V.)

キッコーマン風車

キッコーマン風車

水質改善プロジェクトに尽力

オランダのしょうゆ製造会社KIKKOMAN FOODS EUROPE B.V.では1997年よりザウドラーデル湖の水質改善プロジェクトに協力しています。このプロジェクトの水質浄化のメカニズムは、「自然の力をエネルギー源とし、自然の治癒力で浄化する」ことが特徴です。水質浄化エリアを湖の隣に設け、風車の力を利用して少しずつ湖の水を汲み上げつつ水生生物や微生物などの働きによって徐々に浄化し、浄化された水を湖に戻しています。

Singapore シンガポール(KIKKOMAN (S) PTE. LTD.)

 

環境に優しい浄化システム整備を支援

シンガポールのしょうゆ製造会社KIKKOMAN (S) PTE. LTD.は、シンガポールの庭園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」内にある「キングフィッシャー・レーク」の整備を支援しています。「キングフィッシャー・レーク」は、公園内の水生植物等の自然を利用して水を浄化する環境に優しい浄化システムが備わっており、シンガポールの水問題解決に貢献することが期待されています。