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開府以前の江戸は、湿地や原野が多く、町屋も100軒程度しかありませんでした。
しかし、幕府ができた後には、政治的安定にくわえ、参勤交代制や街道の整備などにともない、「人」「物」が集まる都市として成長し、貨幣経済の発達するなか、世界一の人口を抱えるまでになったのです。
人が集まればそこにはさまざまな生活スタイルが生まれ、文化が育まれていきました。
その一方で、四季折々に行事・祭事が行われ、今に続くものも少なくありません。
人々の生活に切っても切れない「食」に関しても、当初は上方などの真似が多かったものが、次第に独自の食習慣が定着していきました。そこには季節の息吹を感じ、それを祝う祭事と、それを愛でる食への愛着があったのです。
この展示を通じて、食にまつわる江戸の文化と、四季の「旬」を尊ぶ気持ちを感じていただければ幸いです。 |
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執 筆 |
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福田浩(ふくだ ひろし) |
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東京都生まれ。
「三到」(さんとう)にて修行後、家業を継ぐ。
現在、大塚「なべ家」主人。
古い料理書の研究、
江戸料理の再現者としても名を知られている。
著書に
『豆腐百珍』(共著、新潮社)
『大江戸料理帖』(新潮社)
『江戸料理百選』(共著、2001年社)
『変わりご飯』(共著、柴田書店)など |
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参考文献 |
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『江戸学事典』(弘文堂)江戸学事典編集委員会編
『江戸・食の履歴書』(小学館)平野雅章
『江戸庶民の信仰と行楽』(同成社)池上真由美
『江戸食べもの誌』(作品社)興津要
『江戸ッ子の生活』(雄山閣出版)芳賀登
『江戸 東京 グルメ歳時記』(雄山閣出版)林順信
『江戸東京歳時記』(吉川弘文館)長沢利明
『江戸年中行事図聚』(中央公論社)三谷一馬
『江戸俳諧歳時記』(平凡社)加藤郁平
『江戸名所図会を読む』(東京堂出版)川田壽
『大江戸料理帖』(新潮社)福田浩・松藤庄平
『鬼平が「うまい」と言った江戸の味』(PHP研究所) |
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逢坂剛・北原亞以子 |
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