ブランドストーリー1

キッコーマンしょうゆの歴史

しょうゆの郷(ふるさと)で生まれたキッコーマン

キッコーマンのしょうゆづくりの始まりは、江戸時代初期。現在の千葉県野田市で、江戸へのしょうゆ供給地としてその礎を築きました。野田は、関東平野に育まれた良質な大豆と小麦、江戸湾の塩など、原料の確保に最適の土地でした。また、潤沢な水と気候、江戸川の水運にも恵まれ、しょうゆのふるさととして大きく発展と繁栄を続けます。

そして1917年、野田のしょうゆ醸造家一族が合同して設立したのが「野田醤油株式会社」。キッコーマンの前身となる会社です。

野田醤油株式会社は、恵まれた地の利に安住せず、各醸造家の秘伝の技と知恵を結集し、その技術力と団結によって、より高品質で安定したしょうゆの供給をめざしました。設立当時は200以上あったしょうゆの商標も、1940年までに「キッコーマン」に統一され、現在に至るまで、六角形に「萬」の字のマークは「キッコーマン」ブランドのおいしさと品質の象徴として受け継がれています。

妥協なき品質の追求

日本の伝統調味料として、食卓にすっかりとけ込んでいるしょうゆ。だからこそ、キッコーマンは、
その品質を大切に守り続け、一方で、さらなる品質の向上にも努めてきました。
第二次世界大戦とその混乱期には、著しい食糧難から、従来の高品質な本醸造しょうゆをつくることが困難になりました。そうした中でも、変わらぬ品質へのこだわりをもち続けたキッコーマンは、国内の需要をまかなえる新しい技術を開発し、日本の食文化の伝統である本醸造しょうゆを守り抜いたのです。日本が豊かになり、しょうゆ市場も成熟しつつあった1980年代後半、市場を活性化すべく、キッコーマンは新たなしょうゆの開発に乗り出します。

めざしたのは、「特選しょうゆの品質を超えるしょうゆ」でした。そこで、原料に丸のままの大豆を使う伝統的な醸造方法が採用されたのですが、大量生産がむずかしく、高コストという課題がありました。しょうゆのトップメーカーとしてキッコーマンは、品質がよいのはもちろんのこと、多くの方に納得いただける適正な価格でなければならないという考えのもと、高品質と生産性の両立をめざして、何度も技術改良を重ねました。そして1990年、より深みのある味わいがリーズナブルな価格でお求めいただける『特選丸大豆しょうゆ』が発売されました。家庭用しょうゆに新たな定番を送り出したのです。

日本が誇るロングセラー キッコーマンしょうゆ卓上びん

食卓でササッとしょうゆを注ぐ。いまでは、当たり前となっているこの光景は、キッコーマンがオリジナルの卓上びんを開発したことで、日本中に広まりました。注ぎやすく、詰めかえやすく、それでいて食卓に置いて親しみやすいデザインが特徴です。
1993年には通商産業省の「グッドデザイン商品」に認定され、今日までロングセラーとなっています。
2011年にはやわらかな密封容器入りの「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」卓上ボトルを発売。注ぎやすさが進化し、しょうゆの鮮度を保つ機能も備えたこの容器は、食卓の新しい定番としてご愛顧いただいています。