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『食道楽』にある料理は、家庭料理が中心である。したがってその料理は、「原料の良否善悪 よしあし を吟味して、廉 やす き食材を蒐 あつ めて味佳 あじよ き料理を作って食べる」ことが第一とされた。その精神は、「いかなる料理にも丁寧に心を籠 こ め、最も衛生的に最も経済的に美味しいものを作る気構えが家庭料理であり、不消化物を消化しやすくして食べるのが家庭料理の本旨で、料理の時には手数をかけなければならない」とした。しかし家庭料理では、同じ料理でも急ぐ時や忙しい時に料理の手順を台所用具や手近な物で才覚できることから、簡便に美味しいものを食べる工夫ができる料理法も紹介している。
また、食材の良否善悪は美味しい料理を作るために最も大事なことで、食材や食品などの鑑別・吟味は欠かせないものとして、その見分け方・択 えら び方を記している。また、すべての料理法が食材と適合しなければ、よい食材もかえって悪くなる。また、その購入は他人に任せるのではなく、料理するものが選り分け、購入すべきであるとしている。 |
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弦斎邸内「家畜小屋」
明治40年頃
(平塚市博物館蔵) |
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弦斎邸内「野菜園」
大正6年頃
(平塚市博物館蔵) |
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弦斎邸内「促成園」(温室)
明治40年頃
(平塚市博物館蔵) |
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