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過去の展示

「食」を育む

日本人のからだとこころ
私たち日本人は長い間、野菜・魚介類中心の食生活を営んできました。675年(天武天皇4年)に天武天皇による「殺生・肉食の禁断」の令がだされ、約1200年後の1872年(明治5年)に明治天皇が牛肉を食するまで、一部「薬を食う」と称し食べていたのを除けば、肉食は一般的ではありませんでした。しかしながら、この戦後60年、とくに昭和30年代以降で、肉の消費量は約5倍になり、あまりにも早いペースで日本の「食」の状況は激変してきたのです。
遺伝子には、大きく分けて家族の遺伝子と民族の遺伝子があります。日本人の民族の遺伝子は、蒙古斑 もうこはん ・腸の長さ・食べ物の嗜好性 しこうせい などです。そして、その土地の気候や風土・食べ物などに大きく影響を受け、おだやかな感情と情緒豊かな心を長い時間をかけてかたち作ってきました。日本人には日本人に合った、カロリーが低く、栄養のバランスが良く、山海の豊富な食材をとりいれた食事、和食があります。
1713年(正徳3年)に貝原益軒 かいばらえきけん が著した『養生訓 ようじょうくん 』に、「飲む水や食べ物はよく選べ。それによっては人の天性(親から受け継いだ性質)まで変わるのだから」とあります。食べ物が崩れると、こころも崩れてきます。
肉類(国民1人・1年当たり)の消費量 油脂(国民1人・1年当たり)の消費量
資料:農林水産省「食料需給表」(平成15年度)
日本人のからだとこころ