地球五大陸をおいしさと健康でむすぶスシロード。

展示期間
2011年4月~2012年6月

江戸の味は、今、……五大陸で変容と進化を続ける”SUSHI”
日本の食の歴史は、外来食の受容と変容の歴史である、といわれています。「握り寿司」の源流は、中国南西部からラオス、タイ東北部の東南アジアで生まれた「熟鮓(なれずし)」と考えられています。この熟鮓がわが国にもたらされ、日本の食環境に合わせて様々に変容を重ね、19世紀初頭、江戸で完成したのが「握り寿司」というわけです(「寿司のルーツ」編参照)。
1970年代後半に入り、欧米の人々から「日本型食生活」が健康食として受け入れられるようになり、日本食ブームが起こりました。そして寿司は、日本食の中でも、栄養バランスのよい健康的な食べ物として注目されたのです。こうしたブームの過程で、握り寿司をより簡単に握れる「寿司ロボット」や回転寿司用の装置が開発され、また一方では世界各地での食環境や食流通の変化などが加わり、海外の人にとって寿司がより身近な食べ物になっていきました(「世界に広がる寿司」編参照)。
そして今、握り寿司は巻き寿司とともに世界各地に拡がり、”SUSHI”としてさらに変化と進化を続けています。まさに「食文化の国際交流」の良き事例というわけです。
今回、ベルギー・ブリュッセルにある「竹寿司」のオーナーであり、食文化研究家の松本紘宇(ひろたか)さんが、自らの足と目と舌で、世界の”SUSHI”の姿を捉えてきました。以下はそのリポートです。

寿司のルーツ

世界中で人気の高い日本の寿司の源流と、その進化をたどってみましょう。

寿司の源流

「握り寿司」の源流は、「熟鮓(なれずし)」で、稲作発祥の地としても知られている中国西南部からラオス、タイ東北部の東南アジアで生まれたといわれています。
「熟鮓」は、魚を保存するための1つの方法で、魚、塩、米からつくられ、米飯の乳酸発酵を利用して長期間かけて熟成させます。日本では琵琶湖のフナずしが代表的なものです。

鮨(キ)・鮓(サ)・寿司

中国の古典には、「鮨(キ)は魚の塩辛で、鮓(サ)は魚の貯蔵形態である(『説文解字』25〜220)」、「鮓は塩と米とで醸すと葅(ショ)となり、馴れたら食べる(『釈名』220〜265)」とありますが、日本には鮨と鮓は同一のもの(『令義解』794〜1192)として伝わり、平安時代の『延喜式』(905〜930)には鮨とあり、さらに江戸末期には縁起かつぎでしょうか、当て字で寿司も加わり、今でも混同されて使われています。

生成(なまな)れ

「熟鮓」ほど十分に熟してはいないが、ほんのり酸っぱい「生成れ」が室町時代に生まれました。
それまでは、魚と混ぜて漬け込んでおいたご飯を削ぎ落として食べていたのが、ご飯も一緒に食べるようになりました。それは、発酵が進むとご飯が酸っぱ過ぎるので、発酵の浅いうちに食べるものでした。

早ずし

江戸時代に入ると、さらに画期的な変化が起こり、「早ずし」が生まれました。つくり始めてから食べるまでの時間は「生成れ」で短くなりましたが、それさえを待てない人が出てきました。
そこで、別につくっておいた酢を炊いたご飯に加え、魚を合わせてちょっとだけ押しを加えました。この変化は、穏やかな乳酸の酸味から、ちょっと刺激のある酢酸に味が変わるという大きなものでした。

握りずし

押した「早ずし」が、箱ずしや押しずしを経て、握るという手法に変わり「握り寿司」が登場します。それは、文化文政期(1804〜30)のことで、「握り寿司」の創始者は、両国の「華(花)屋与兵衛」や深川安宅の「松の寿司(松が寿司)」という説があります。
一晩も待たずにすぐ食べられる「握り寿司」は、屋台から高級店まで幅広い店でつくられ、たちまち江戸で人気となりました。

世界に広がる握り寿司

きわめて簡単な手法で米と魚や貝類の絶妙なコンビネーションをつくり出した江戸の「握り寿司」は日本料理の傑作として、いまや、世界中で”SUSHI”の愛称でさらなる進化をとげています。
続いて世界各都市の特長ある寿司を店別に解説します。(展示当時の情報です。)

寿司の系譜

スシロード(ユーラシア大陸Ⅰ) 地図

英国

都市:ロンドン
店名:ヨー!スシ

[寿司皿が2段重ねで]
1997年に開店し、回転寿司を一躍有名にした。何しろベルトコンベアーの長さが65m客席数が125席という大型店で、プラスチックで覆われた寿司皿が2段重ねになって回ってくる。客は上手に箸を使って食べていた。

ドイツ連邦共和国

都市:デュッセルドルフ
店名:日本館

[欧州最古の日本料理店]
1964年にオープンした「日本館」は、パリの「たから」とともに、欧州で最古の日本料理店である。ドイツ人を招いて恥ずかしくない店をと岸元首相のお声がかりで始まった。

オランダ王国

都市:アムステルダム
店名:白鷲

[空港内の寿司専門店]
スキポール空港内には、何か所ものシーフードスタンドがあるが、寿司専門のスタンドはこの店だけだ。店で握った出来たてをパック詰めで売っている。常時、2・3人で握っているが、全員日本人だった。

オランダ王国

都市:アムステルダム
店名:ズシ

[回転寿司の普及]
オランダ名物の運河と跳ね橋をバックに、運河を流れる船と同じようなテンポで「ズシ」の寿司が廻っていた。日本ではちょとお目にかかれない光景だ。

フランス共和国

都市:パリ
店名:能登

[美食の都に回転寿司]
ロンドンのハロッズ百貨店で寿司バーを経営している「能登」が、1998年にパリに進出。「寿司が動く」というもの珍しさが、パリっ子の興味を引いた。

ポーランド共和国

都市:ワルシャワ
店名:日本館

[回転寿司の普及]
1999年、ワルシャワに回転寿司が初めて登場した。すでに日本料理店で成功した日本人がこの店も経営していた。それにしても日本で回転寿司のコンベアメーカーの人達は、これがワルシャワにまで送られることが信じられなかったそうだ。

ウクライナ

都市:キーウ
店名:スシヤ

[巻き寿司豊富なメニュー]
「スシヤ」をロシア語で書くとこのようになる。握り寿司は鮪、サーモン、海老など6種だけだが、巻き寿司の種類は多い。鉄火やカッパにはじまり、カリフォルニア・ロール、海老天ロールなどの創作ものが並ぶ。顔はシャリで帽子は鮪のマスコットがいい。

ウクライナ

都市:キーウ
店名:ムラカミ

[キーウで一番元気な寿司チェーン]
店の内装は高級で、ナイトクラブのような雰囲気だ。寿司カウンターには4・5人のウクライナ人の板前がいて、腕前も確かだ。値段も「スシヤ」と殆どかわらない。キーウ市内に、10店舗ほど展開しているという。

アラブ首長国連邦

都市:ドバイ
店名:魚市場

[美味な魚“ハムール”]
地元産の「ハムール」という魚は、ハタ科の魚で、日本でいえば「クエ」に近く、このハルームを使った握り寿司がある。白身で歯応えもしっかりして、実に美味だった。日本では味わえない異国の寿司に驚いた。

アラブ首長国連邦

都市:ドバイ
店名:ET寿司

[7つ星ホテルの回転寿司]
ドバイのジュメイラ・ホテルグループは7つ星の超高級ホテルといわれている。そのホテルの中の「ET寿司」は豪華でゆったりとしたすごい回転寿司だった。回転する皿が陶器で重いことから寿司を沢山廻せないが、椅子はゆったり座れる店内だった。

スシロード(ユーラシア大陸Ⅱ) 地図

日本国

都市:東京
店名:美家古寿司

[江戸前握りずしの完成]
文化・文政年間といえば、日本料理が完成期を迎え大江戸グルメ時代であった。寿司もまた、味、色、形と洗練され“粋”という日本精神をつぎ込まれていくのである。生の魚は使わずに、全て下ごしらえをしたものを使うのが伝統である。

ミャンマー連邦

都市:ヤンゴン

[熟鮓“ンガ・チン”]
寿司ダネの鮮魚が手に入り難いので、握り寿司は超高級料理だ。ミャンマーの人は、鯉やエビなどをご飯に混ぜて乳酸発酵させたものを大きな葉で包み、ちまきのような形をした熟鮓(なれずし)「ンガ・チン」をよく食べる。

大韓民国

都市:ソウル
店名:キムガネ

[韓国の巻き寿司(キム・チョ・バップ)]
日本の太巻きのように玉子焼き、ほうれん草、人参など、焼肉が入るときもある。しかし沢庵だけは絶対に欠かせない。沢庵は韓国人にもなぜか好まれている。この巻き寿司はレストランだけでなく屋台でも売られている。

大韓民国

都市:ソウル
店名:金寿司

[韓国の握り寿司]
韓国の都市で目にする「日式」という看板は日本料理店のこと。こうした店には寿司カウンターもあって、うまい握り寿司が楽しめる。寿司と一緒にキムチも出てくるところは、なるほど「韓式」ということになる。

台湾

都市:基隆(キールン)
店名:屋台店

[握りはマグロだけ]
台湾の鮪漁船の基地・基隆にあった屋台、とはいっても魚屋の一部なのだが、握り寿司のネタは鯖だけだった。この寿司は、恐らく日本の鮪漁船の乗組員が教えたのかも知れない。

台湾

都市:基隆(キールン)
店名:屋台店

[“飯”と“生魚”こそ寿司の原点]
この国にも日本の寿司文化が根づいている。台湾では看板に「寿司・生魚飯」と書かれている。「生魚飯」とは、まさに握り寿司の王道ではないか。

インド

都市:ムンバイ
店名:ワサビ・バイ・モリモト

[日本で食べるのと同じ寿司]
2004年、タージ・マハールホテル内に開店した最高級寿司店だ。57の客席で、寿司バーと鉄板焼きコーナーがある。客の80%は地元の裕福なインド人だという。魚は築地から直送、店名の通り山葵も本物を使っていた。

インド

都市:ムンバイ
店名:テツマ

[“ベジ寿司”と“ノン・ベジ寿司”]
インドの上流階級にはベジタリアンが多い。この店の寿司のメニューには「ベジ」と「ノン・ベジ」をきちんと分けて載せていた。なるほど、この国で寿司を流行らせるには「ベジ寿司」に力を入れる必要があると思われた。

中華人民共和国

都市:広州
店名:ジャスコ広州2号店

[テイクアウト式で人気]
ここの寿司コーナーでは、パック詰ではなく、1貫ずつラップに包まれたものを自由に選ぶ方式で売られていた。鮪、サーモンの握り寿司1貫が3元(約40円)、稲荷寿司が2.5元と、開店特別セールのせいか安かった。

中華人民共和国

都市:北京
店名:福助

[中国最初の回転寿司]
1998年に開店した中国最初の回転寿司店。寿司は4人の中国人が握っている。一皿(2貫)5元の玉子焼きや稲荷鮨から、22元の鮑やウニなど5種類の皿が回っていた。加熱したものしか食べない中国人が寿司を食べる時代だ。

マレーシア

都市:クアラルンプール
店名:スシキング(すし金)

[最大の回転寿司チェーン店]
マレーシア最大の回転寿司チェーン店の経営者は日本人。1996年にクアラルンプールに1号店をオープン。その後国内に19店舗を展開している。巻き寿司をつくっているのはイスラム圏の女性店員。クアラルンプールのそごう百貨店には、築地の中島水産が入って、魚をおろしている隣には寿司ロボットが備えられ、寿司が簡単につくられていた。

タイ王国

都市:バンコク
店名:オイシイ

[巨大看板で圧倒]
経営者は中国人で、中国料理と日本料理を出している。寿司、刺身コーナーも充実しており、一人449バーツ(約1,350円)の食べ放題なので、いつも若者で満員だ。市内に4店舗展開している。 (看板と下の人を比べて見てほしい、大きい!)

タイ王国

都市:バンコク
店名:フジスーパー

[鮮魚類が充実のスーパー]
タイは、東南アジア諸国の鮮魚や寿司ダネの供給地である。1985年に日本の資本で設立されたこの店には、新鮮な魚に飢えているラオス、カンボジア、インドさらには中近東などから鮮魚類の買い出しにやってくるという。

スシロード(北アメリカ大陸Ⅰ) 地図

アメリカ合衆国

都市:ホノルル
店名:和さびビストロ

[レインボー・ロール]
鮪、サーモン、海老、白身魚、アボガドの薄切りを虹のように彩りよく貼り付ける。この店が発祥地、レインボーランドのハワイで創られた巻き寿司。

アメリカ合衆国

都市:ホノルル
店名:ロイズワイキキ

[寿司を揚げる!]
パシフィック・リム・キュイジーヌ(ハワイ地方独特の料理)の名を世界にとどろかせたロイ・山口氏の店。巻き寿司にパン粉を付けて軽く揚げる。刻んだマカデミアナッツを上に散らして、ワサビソースで食べる。

アメリカ合衆国

都市:コナ
店名:マキティー

[食べ放題 寿司ランチ]
コナ特産の活きアワビ(トコブシ)、カリフォルニア産ウニも夜は37ドルの食べ放題方式。2010年末にできた店で、300人席の店はいつも大行列。ステーキ、アワビはその場で鉄板焼にしてくれる。

スシロード(北アメリカ大陸Ⅱ) 地図

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:キャビア・ラス

[キャビアの寿司]
超高級という意味での変り種寿司。これ(写真右)で18ドル、約2,000円ほどだった。左のトロは9ドル、1,000円ちょっとの価格だ、つまり2貫で3,000円を超えるということになる。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:スシ・サンバ

[マヤ・ロール]
南米と日本料理が融合した料理を出す店で、巻き寿司に特徴がある。エビ、アボカド、トマト、玉葱、シラントロが入り、「ハラベーニョ」という辛い唐辛子のサルサ調味料で食べる。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:ルビー・フーズ

[デザート・スシ]
チョコレートを芯に、ご飯の代わりに刻んだココナッツ、海苔は黒ゴマ、タレは液体のチョコ、ガリはマンゴーの薄切りをシナモン入りの砂糖に漬けたもの、という具合だ。甘いもの好きの米国人にピッタリの寿司デザートだ。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:ソウエン

[寿司飯は玄米の健康志向寿司]
白い飯ではなく玄米だけの玄米寿司がある。魚や野菜を使ったものもあるが「セイタン・ロール」が人気だ。セイタンとは小麦粉のグルテンから作った肉の代用品で、歯ごたえが肉にそっくり、味付けも自由にできる。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:春

[ベジタリアン・スシ]
アメリカでは健康志向や地球環境への配慮から、レストランのメニューにもベジタリアン食が加わっている。鉄板焼で有名なベニハナ系の「春」では、ベジタリアン向けの寿司も出す。左の写真は、ナメコ、アスパラガス、カイワレ、焼き豆腐、椎茸、アボカド、イナリ、そしてアボカド巻きである。寿司は健康に良いということで、右の写真のテラス席のお客は1人で2人前を注文していた。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:ハイカラ・グリル

[“ラビ”のいる寿司店]
ユダヤ教では食物禁忌の戒律が厳しい。信者が口にしてもよいもの(コーシャ食品)を扱っている店では、ラビと呼ばれる僧侶のような指導者によって監修されている。この店ではラビが常駐していた。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:源氏エクスプレス

[ここにも玄米寿司]
オーガニック・フードやベジタリアン・フードに力を入れてるホールフーズ・マーケットの店内にある「源氏エクスプレス」でも玄米寿司がつくられている。寿司をつくる時に手袋を使うのも、政府の指導でアメリカならではだ。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:ONY

[スパイダー・ロール(左)]
甲羅ごと食べられるソフトシェルクラブを天ぷら風に揚げて巻き寿司にした「ソフトシェル・ロール」だったが、この蟹の足がクモに似ていることから、今では「スパイダー・ロール」の名で、全米に広がっている。

[キャタピラー・ロール(右)]
世界中に寿司屋が増えるにつれて、変り種の寿司も生まれている。この寿司はアボカドをスライスして巻いたものだ。その形がキャタピラー=青虫に似ている。「青虫ロール」では食欲減退だが「キャタピラー・ロール」ならなんとかなる。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:味千ラーメン

[ラーメン店にも握り寿司]
中国を中心に世界各国で日本式のラーメンを展開しているチェーン店「味千ラーメン」でも、握り寿司が登場した。ラーメンが中心だが、人気の寿司も食べられる。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:トーダイ

[徳用寿司ランチ]
この店のランチは13.95ドルで、寿司だけではなく天麩羅、デザートも食べ放題だ。しかし、他店では、この値段では1人前しか食べられない。写真はビュッフェバーから取ってきた15種類の寿司だ。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:ゴー

[ゴジラ・ロール]
アボカドの皮が頭、ヤマゴボウをバットに見立て、ニューヨークヤンキースの松井秀喜選手(当時)が寿司になった。松井選手がホームランを打った日は、寿司が半額になった。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:イツ

[ロンドンから国境を越えて開店]
「元気寿司」が撤退したところに、2006年ロンドンの回転寿司「イツ」が進出した。川の流れのような斬新なコンベアは他では見たことがない。なお、「イツ」は回転寿司をやめ、テーブル席もあるテイクアウト店になった。

アメリカ合衆国

都市:ニューヨーク
店名:ピア2110

[ハーレム最初の寿司屋]
従来「黒人は生魚が苦手」といわれていたが、近年、黒人の間にも寿司が普及してきた。この店のオーナーは韓国人女性。メニューはカリフォルニア・ロールなどの巻き寿司が豊富で、握り寿司のネタは鮪、サーモン、ウナギなど6種しかない。

スシロード(南アメリカ大陸) 地図

メキシコ合衆国

都市:メキシコシティ
店名:スシ・モービル

[メキシコの寿司屋台]
客は近くのオフィスで働くメキシコ人ばかり。しかも常連さんで、持ち帰りやデリバリーが多い。板前のファン・クルスさんは、日本レストランで働いていたときに、日本人の板前から握り寿司を習ってこの屋台を開店した。

パラグアイ共和国

都市:フラム
店名:ニュートーキョー

[海のないパラグアイの寿司]
海のないパラグアイでは、ネタはサンパウロから運ばれてくる。主人の滝本巌さんは独学で料理を学び、趣味でレストランを経営しているが、握りの腕は立派なもの。握り寿司の1人前は鮪、サーモン、白身魚が4貫ずつで計12貫。

ドミニカ国

都市:サントドミンゴ
店名:サムライ

[カリブ海産のネタで]
写真は1人前の盛り合せ。鯛、カンパチ、エビ、イカ、玉子焼きが1貫ずつと、鮪が2貫、カリフォルニア巻きが1本という内容である。このメニューの魚はすべてカリブ海産のネタを使っていた。

[日本人経営者が奮闘]
魚介類のネタは、できるだけ地元産を使っている。しかしサーモンやイクラ、鰻などはアメリカから輸入している。客は日系移民の他、ドミニカ人も。ウエイターも現地の人だった。

ブラジル連邦共和国

都市:サンパウロ
店名:黒潮

[親子二代の繁盛寿司]
南米で親子2代の寿司屋がある。パラグアイの滝本さんの娘さんがサンパウロで寿司屋をやっているのだ。それまで誰もやったことのない年中無休のショッピングセンターの中にある店で、ご主人と交代でブラジル人寿司職人と店を切り盛りしている。

ブラジル連邦共和国

都市:サンパウロ
店名:萬珍谷食堂

[量り売りの寿司]
並べられた料理から好きなものを選んで皿に盛り、量り売りするという店だ。握り寿司、刺身など生魚の日本料理が並んでいる。「寿司は健康食」という概念がブラジルにも浸透し、握り寿司や日本料理が広がった。

スシロード(オーストラリア大陸) 地図

オーストラリア

都市:シドニー
店名:スシトレイン

[回転寿司も変り種]
この店では、かつて寿司を模型の汽車に乗せて運んでいたので「寿司トレイン」。2000年に、コンベアーに替えているが、店名はあいかわらず「スシトレイン」である。

オーストラリア

都市:シドニー
店名:テツヤズ

[フランス料理と日本料理の融合]
店のオーナー和久田哲也氏は、生魚を積極的に取り入れ、オーストラリアの食文化を変えた男の1人として超有名。この店の前菜には、生魚と寿司飯を使った1品も。世界各地からやって来る食通を唸らせている。

スシロード(アフリカ大陸) 地図

南アフリカ共和国

都市:ケープタウン
店名:寿

[シャンデリアの下で握る寿司]
シャンデリアが下がった和洋折衷の内装の店である。これは前の店の内装をそのまま使ったためだが、そんなところでも寿司屋があった。少々物騒なところなので、経営者は寿司だけでなく、ピストルも握っていた。

南アフリカ共和国

都市:ケープタウン
店名:港

[夫婦で切り盛り]
寿司カウンターはなく、ご主人がキッチンで握り、奥さんが天ぷらや揚げ出し豆腐などを担当している。人気のメニューは、エビ天2本にアボカドとマヨネーズを加えて裏巻きにしたダイナマイト・ロールであった。

世界に広がる寿司

現在のように、寿司が世界中に広がったのは、

  1. 1寿司は健康によいことがわかった
  2. 2寿司の食材が日本以外から調達が可能になった
  3. 3安価で美味しい寿司用の米が世界に普及した
  4. 4回転寿司と寿司ロボットが発明された

健康によい寿司

世界の人々が、健康で長生きする健康寿命が75才で、世界一の日本に注目しています。その秘密は日本型食生活にあり、和食を代表する寿司がヘルシーな食べものと考えるようになりました。

寿司食材の調達先

ブリュッセル「竹寿司」の握り寿司。

ベルギー、ブリュッセルにある「竹寿司」の場合を見てみますと、日本の寿司食材は使用されていないということがわかります。

◎しょうゆ[オランダ製]
オランダで製造されてる業務用のキッコーマンしょうゆ
◎寿司酢[イギリス製]
イギリスで製造されてる業務用の酢
◎ガリ(生姜)[中国製]
日本の会社が中国で委託生産
◎海苔[中国製]
日本の会社が中国で生産
◎山葵[アメリカ製]
アメリカ産の粉山葵
◎米[アメリカ製]
カリフォルニア米の「錦」というブランド
◎寿司種
[地中海産]トロ、マグロの赤身、スズキ
[カナダ産]イクラ、ホッキ貝、甘エビ
[ノルウェー産]ウニ
[韓国産]アナゴ、無いときはベルギー産のウナギ、中国産の冷凍もの

安価で美味しい寿司米

海外の最初の寿司ブームはアメリカだったようです。その理由は、安価で美味しいカリフォルニア米があったからでしょう。カリフォルニア米は、日本からの移民の努力で、1962年「国宝」という一等米が作られ、寿司に使える米が誕生しました。
現在では、「あきたこまち」や「コシヒカリ」の栽培も行われ、イタリアでは「あきたこまち」が、スペインでは「みのり」も作られています。

カリフォルニア米

回転寿司と寿司ロボットの発明

手軽に食べられる回転寿司と誰でも作れる寿司ロボットが発明されたことで、寿司職人がいなくても寿司が作れ、低価格で寿司が食べられるようになり、寿司普及の影の立役者ということができます。回転寿司は、自分の好きなものを目で見て選べ、好きなだけ食べられますので、日本料理の知識がなくても気軽に椅子に着くことができます。
また、シーフードを中心にした日本料理(もちろん寿司も含まれる)の食べ放題の「トーダイ」ニューヨーク店の場合は、客席数が600もある巨大な店で、人気の高い寿司はすぐに無くなってしまいます。寿司職人は少なくても寿司ロボットの活躍で、直ちに寿司が補充されるので大好評です。

回転寿司のレーン