キッコーマン食文化講座

お酢のイロハ ~歴史と作り方~

日程 2013年2月26日
場所 野田本社
講師 赤野裕文先生
主催 キッコーマン国際食文化研究センター

食酢の歴史は長い。記録では、紀元前5000年にメソポタミア南部のバビロニアで、ナツメヤシや干しぶどうを利用して食酢を作っていたことがわかっている。日本に食酢の製法が伝わったのは、4~5世紀頃だと考えられている。中国から酒造りの技術と共に伝わってきた。

食酢は世界各地で様々な原料から醸造される。代表的な食酢の種類としては、穀物を原料とした米酢(中国、日本)、モルトビネガー(イギリス)や、果実を原料としたワインビネガー(フランス、イタリア)やアップルビネガー(アメリカ)などが挙げられる。食酢はお酒の中のエタノールが酢酸菌により酸化され、酢酸に変化することにより醸造される。古代中国で酢は「苦酒」と呼ばれていたこと、日本でも「からさけ」(苦酒、辛酒)と呼ばれていたこと、英語のvinegarの語源がフランス語のvin(ワイン)とaigre(酸っぱい)であることは、まさに、食酢の起源を表しているといえる。