収蔵品企画展
キッコーマンと万国博覧会 ~19世紀から21世紀~

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キッコーマン国際食文化研究センターでは、「キッコーマンと万国博覧会」をテーマにした収蔵品企画展を行います。

昨年、大好評のうちに閉幕した「大阪・関西万博」。
キッコーマンは「おいしさでつながる世界」をテーマに、海外と関西のトップシェフを招いた官民連携の食のイベントなどを開催し、食のサステナビリティも追及した新しいおいしさを発信しました。

「キッコーマンと万国博覧会」のつながりは、19世紀にまでさかのぼり、100年以上にわたって続いています。収蔵品をひもときながら、時代背景や万博参加に込めた思い、そのテーマの変遷をご紹介します。

キッコーマンが万博とともに歩んできた“おいしい記憶”を、ぜひご覧ください。

開催期間  2026年1月13日(火)~4月24日(金)
 10:00~12:00、13:00~16:00(平日のみ)

19世紀から20世紀初頭 ~「キッコーマン」を世界に紹介する~

「キッコーマン」は、個人醸造家時代から国内の博覧会に加え、海外の博覧会にも積極的に出品され、その評価を高めていきました。1883年のアムステルダム博覧会、1900年のパリ万国博覧会ではいずれも金牌を受章しています。1917年に設立された野田醤油株式会社は、創業8家が用いていた数多くのブランドのなかから、国内におけるブランド力の高さに加え、万博でもたびたび高い評価を得ていた「キッコーマン」をメインブランドとして、ナショナルブランド化を推進していきます。

そして戦後、1949年に輸出を再開した野田醤油株式会社は、戦前の在外邦人や日系人向けが中心となっていた海外展開から、日系人以外の外国人も対象としたマーケティングへとシフトし、しょうゆを世界に広めていきます。

白磁製しょうゆびん
個人醸造家時代の1883年、アムステルダム博覧会に出品、金牌を受章
万博金牌
1900年に行われたフランス パリ万国博覧会にて受章
個人醸造家時代のラベル
数々の博覧会で受章していることを訴求
野田醤油株式会社時代の輸出用ラベル
個人醸造家時代同様、数々の博覧会で受章していることを訴求

1970年 大阪万博 ~味の発見~

日本で初めて開催された1970年の日本万国博覧会(大阪万博)は世界77か国が出展し、来場者数は約6,421万人に達しました。キッコーマンは、「味の発見」を運営テーマとした5店のレストランなどを出店します。魚が回遊する水槽を巡らせた「キッコーマン水中レストラン」と、4店の軽食店「スナック・キッコーマン」です。会期中に24万人を集めた「水中レストラン」で、とりわけ好評だったのが「鉄板焼ステーキ日本風」で、豪快に焼かれた肉をレモン、ガーリック、バターの3種類のつけしょうゆで味わうメニューでした。「スナック・キッコーマン」は、和食1店、洋食2店、中華1店とテーマ分けされ、しょうゆが和食はもちろん、洋食にも中華にも合う「万能調味料」であることを体現した場となりました。

1970年 広告
世界中の人々が寄り添い、調和をしている様を表現。大橋 正氏の作品
水中レストラン パンフレット
店内は、マリンブルーの色調の中、左右には幅12mの巨大な水槽が設置されていた
1970年 広告
水中レストランのメニューを広告化したもの
1970年 広告
水中レストランで好評だった鉄板焼きステーキに焦点をあてた広告。しょうゆが肉料理に合うことを訴求している

1985年 つくば科学万博 ~人間・居住・環境と科学技術~

1985年に行われたつくば国際科学技術博覧会(つくば科学万博)において、キッコーマンは「キッコーマン 串コルザ Coca-Cola」を出店し、さらなる「世界の味との調和」を目指します。また、万博とのコラボレーション商品を複数発売しました。

1985年 つくば科学万博記念しょうゆ
科学博マスコットの「コスモ星丸」とEXPOマークがデザインされている
1982 スペシャル・リースリング
つくば科学万博記念ワイン。30,000本限定
1985年 「杉の水」チラシ
1984年に1Lボトルを発売。つくば科学万博を記念し、1985年に缶製品を発売。EXPOマーク入

 2010年 上海万博 ~おいしい記憶をつくりたい。~

2010年、キッコーマンは上海万国博覧会(上海万博)へ料亭「紫 MURASAKI」を出店し、大きな話題を呼びました。料亭「紫 MURASAKI」は、キッコーマンしょうゆを通じて、日本の食文化を中国、そして世界の人々に紹介したいとの想いからはじまり、日本の伝統的な建築様式にのっとった本格的な料亭をめざして、掘りごたつの和室や新日本庭園を整えて、お客様をお迎えしました。料理においては、日本料理アカデミーの協力を仰いで調理人を派遣してもらい、日本料理の技と中国の食材が融合した新しいおいしさを生み出し、日本のおもてなしとともに提供しました。

料亭「紫 MURASAKI」では、仲居や調理補助スタッフに上海大学外国語学院日本語学部の学生を中心とした現地の人財を登用しました。その活躍ぶりは食文化の国際交流の具現化として話題となりました。そこで万博閉会直前の2010年10月に「KIKKOMAN『紫 MURASAKI』基金」を設立、上海大学における奨学金の給付、優秀奨学生の日本研修、特別講演会など継続的な交流をおこなっています。昨年は上海万博から15年の節目として、上海大学にて「キッコーマンと万博」をテーマに特別講演をおこないました。

料亭「紫 MURASAKI」
入口と室内
料亭「紫 MURASAKI」
提供された料理(一部)。本格的な懐石料理で、日本の食文化を紹介した

2015年 ミラノ万博 ~和食の心~

2015年、キッコーマンはミラノ市内に開設された日本館関連のプロモーション会場「ジャパン・サローネ」で、京都府の協力の下、日本を代表する和食料理人と共に「和食の心」をテーマに、ワークショップと現地メディアや料理関係者を招いての懐石料理の夕べを開催しました。
日本館は好評を博し、2014 年には600店程度だったイタリアの日本食レストランは、2017 年には1,200店を超えました。

ミラノ市内 食イベント
ジャパン・サローネ会場にて。
関係者を招き、懐石ディナー体験を実施
懐石ディナー体験
提供された料理(刺身など)。解説つきで料理がふるまわれ、「一層料理を楽しむことができた」と好評だった
懐石ディナー体験
提供された料理(椀など)

2025年 大阪・関西万博 ~おいしさでつながる世界~

2025年、キッコーマンは「おいしさでつながる世界」をテーマに、海外と関西のトップシェフを招いた官民連携のイベントを開催し、食のサステナビリティも追及した新しいおいしさを発信しました。また、「発酵県ちば」をテーマにした千葉県ブースの出展に協力し、しょうゆづくり体験などで発酵の魅力を紹介しました。

万博と培ってきた「食文化の融合、新しい食文化との出会いの場を提供し続けること」の理念は、現在までキッコーマンに脈々と根付いています。

6月15日 シンポジウム(万博会場)
食のサステナビリティなどに関して、
世界のトップシェフがトークセッションを実施
6月16日 レセプション(京都市 仁和寺)
シェフたちが力を合わせ、しつらえにも趣向を凝らした料理を提供した
6月16日 レセプション(京都市 仁和寺)
協働した世界のトップシェフたち
8月26日~31日 千葉県ウィーク(万博会場)
しょうゆづくりワークショップ