分析技術

安全に関する分析技術開発 (環境・安全分析センター)

キッコーマンでは、お客様にお届けする食品の安全性を確保するため、自社内に分析機関を設けることにより、外部分析や保証書等だけに頼らない自主的かつ迅速な安全性の確認を進めています。環境・安全分析センターでは、お客様への安全を約束するため、機器分析、微生物の制御・同定技術などの安全に関する分析技術に関して、つねに最新の技術を取り入れ、技術の維持・向上に努め、商品のさらなる品質向上をめざしています。

理化学機器による分析

環境・安全分析センターでは、理化学機器を用いた分析により、原材料や開発製品などの自主的かつ迅速な安全性の確認を進めています。アミノ酸、有機酸、糖、核酸、金属などの一般的な栄養・ミネラル成分の分析を行なうとともに、残留農薬やかびの生産する毒素、アレルギーを誘引させる蛋白質など食品の危害要因になると懸念される項目について、LC/MSやGC/MS、NMR、ELISAなどの最新の分析技術を駆使して、自主的な安全性の評価を行っています。また、製品に使用される水の定期的な検査、蛍光X線分析や赤外分光分析による異物の解析なども行い、分析結果をよりよい製品づくりへ反映させる努力を重ねています。

LC/MSによる食品中の微量成分の定量
LC/MSによる食品中の微量成分の定量
蛍光X線分析による異物の解析
蛍光X線分析による異物の解析
GC/MS/MSによる残留農薬分析
GC/MS/MSによる残留農薬分析

微生物制御・同定

しょうゆを造る微生物のように、食品に対して好ましい影響を与える微生物もいれば、食品の風味や人の健康に好ましくない影響を与え、食品を腐らせる微生物もいます。しょうゆ醸造微生物と食塩の力で微生物の制御を成し遂げたしょうゆは、伝統と経験に基づく知恵の結晶と言えます。キッコーマンではこの技術を受け継ぎ、更に発展させて、より安全で食品のおいしさも損なわない微生物制御技術の研究を行っています。こうした新技術により、新たに開発された製品についても、微生物をしっかりと制御することで安全な食品をお届けしています。また、微生物の同定については、一般的な選択培地などを用いた分析以外に、最新の分子生物学的な手法を駆使して対応しています。

培地法による微生物分析
培地法による微生物分析
RAPD法による微生物同定
RAPD法による微生物同定

キッコーマンは、商品の安全性を第一に考え、さまざまな角度から安全性を評価し、商品の開発をおこなっております。

これまでキッコーマンは、その時点で他に確認方法がない場合、やむを得ず動物実験を採用しておりましたが、関連する基準やガイドライン*を厳格に守り、最小限の試験にとどめてまいりました。

現在では、商品等の安全性確認の際に生物学的手法を用いる場合は、動物実験代替法を活用し、動物実験は実施しておりません。
但し、社会に対して安全性の説明責任が生じた場合や、一部の国において行政から求められた場合を除きます。

  • 日本の「動物の愛護及び管理に関する法律」をはじめ動物実験の国際的な倫理原則である3R。
    3Rとは、「(1)動物実験に代わる方法を検討します(Replacement)、(2)やむを得ず動物で試験する必要がある場合には、最小限に留めます(Reduction)、(3)その場合は、動物への苦痛を最小限に留める手法を選択します(Refinement)」です。