食文化に見るしょうゆの包装・容器 その1
しょうゆ容器の代表格「樽」(3)樽の構造
しょうゆや清酒に使われる樽は一般的に杉(Cryptomeria japonica)が使用されました。これは、杉が日本の気候に適し各地に分布する常緑高木なので入手しやすかったこと、また比較的柔らかく加工しやすい素材であったことが、一因であると考えられます。さらに杉中に存在するテルペン類(注)などの天然化学成分が、樽に微生物が繁殖しにくい環境を作っています。
(注)テルペン類 精油や天然樹脂から単離される、2個以上のイソプレン骨格を含む一群の有機化合物
樽は複数の側板と一枚板もしくは数枚の板からなる底と蓋、金属、木、紐で作られた箍(たが)で構成されています。箍を締め上げることにより内容物の漏れを防ぎ、また底や蓋が外れないようにしています。
