生物多様性の保全
キッコーマンは江戸時代より、自然の恵みを基盤としてしょうゆづくりを行ってきました。野田には、江戸川を通じて大豆や小麦、塩が運ばれ、これら豊かな自然の産物が高品質なしょうゆを支えてきました。また、江戸川は輸送路としても重要で、朝に出荷した製品が昼には日本橋に届く利便性を備えていました。さらに、仕込み水としても適し、品質向上に大きく寄与しました。
このように、野田でのしょうゆづくりは自然の恩恵と密接に結びついて発展してきました。現在キッコーマングループが掲げる環境理念「自然のいとなみを尊重し、環境と調和のとれた企業活動」「ゆとりある社会の実現に貢献」は、こうした歴史に根ざしています。
また、キッコーマングループ各社の製品は、大豆や小麦、トマト、ブドウなど自然の恵みを原料としており、豊かで健全な環境の存在が不可欠です。そのため、人・資源・風土を大切にしながら自然との共生と社会との調和を追求し、世界中で信頼される企業であり続けることを目指しています。
北海道キッコーマンの樹林地「自然共生サイト」認定を取得

北海道キッコーマンの工場敷地内の樹林地が、環境省の「自然共生サイト」の認定を受けました。
「自然共生サイト」とは、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域を国が認定する制度です。認定区域は、保護地域との重複を除き、「OECM」(※)として国際データベースに登録されます。
北海道キッコーマン敷地内の樹林地(25,640㎡)には落葉広葉樹が約80年前から残存しており、希少種を含む多様な動植物が生息・生育する貴重な緑地帯となっていることが認定において評価されました。

北海道キッコーマン樹林地全景

アカゲラ営巣
※Other Effective area-based Conservation Measures
企業の所有地など公的な保護地域以外で、生物多様性を効果的に保全する手段
生物多様性ちば企業ネットワークへの参加

キッコーマンの本社がある千葉県では、市町村・企業・NPO・教育研究機関などによる生物多様性の保全及び持続可能な利用の取り組みを支援・強化するため、2013年4月に官民協力のもとで「生物多様性ちば企業ネットワーク」が立ち上がりました。キッコーマンはこのネットワークに立ち上げの時点から参加しています。工場見学施設である「もの知りしょうゆ館」内に、情報発信コーナー「生物多様性サテライト」を設置し、見学者への情報発信を行っています。
シンガポールでのキングフィッシャー・レイク造成プロジェクトへの支援と、「自然遺産の木」の授与(KIKKOMAN (S) PTE LTD.(KSP))
2010年、シンガポールのしょうゆ製造会社であるKSPは、設立25周年行事の一環として、自然公園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」の一角に設けられた「キングフィッシャー・レイク」(水生植物などの力を利用して水を浄化するシステムを導入した湖)の造成プロジェクトを支援しました。


KSPのこうした支援は、シンガポール政府から高く評価され、シンガポールの美化と緑化を推進する企業として表彰されました。同時に、フォート・カニング公園内にある政府認定の「自然遺産の木」(樹齢80年のレイン・ツリー)が贈呈されました。
オランダでの水資源保全プロジェクト支援と、「EDEN award 2013」の受賞(KIKKOMAN FOODS EUROPE B.V.(KFE))
オランダのフローニンゲン州にあるしょうゆ製造会社KFEは、地元の環境保護団体がEUやオランダ政府などの支援の下で始めた「フローニンゲン州ザウドラーデル湖における水質改善プロジェクト」に、2000年からメインスポンサーとして参加しています。KFEからの寄付金は、ザウドラーデル湖の湖水を汲み上げて浄化水路へ送るための風車「キッコーマン風車」の導入及び管理などを含め、本プロジェクトの遂行に利用され、水質の改善と生息する生物種の回復に目覚ましい効果をあげています。


2013年度には、KFEのこうした継続的な環境保護活動がオランダ政府などからも高く評価され、「EDEN award2013」に選ばれました。2017年度には、KFEが設立20周年を迎えたことを記念して、プロジェクト支援を継続することを決めました。
スンガイ・ブロー湿地保護区での植樹活動の支援(KIKKOMAN (S) PTE LTD.(KSP))
シンガポールでは、マングローブ樹林の減少が進み、熱帯特有の希少動植物種の絶滅が危惧される事態に陥っています。シンガポール政府は、こうした事態の改善に本腰を入れ始めました。2015年から開始した、シンガポール北部の自然遺産「スンガイ・ブロー湿地保護区」の海岸線でのマングローブ植樹などもそのひとつです。
シンガポールのしょうゆ製造会社であるKSPは、設立30周年の記念として、この植樹などの自然保護活動や環境教育に対して、50万シンガポールドルを寄付しました。



(2018年7月、スンガイ・ブロー湿地保護区)
KSPが寄付したマングローブの一部が植樹できるサイズにまで生長したことを受けて、2017~2018年度にKSP社員やその家族たち有志がスンガイ・ブロー湿地保護区で植樹作業を行いました。
水浄化プロジェクトの支援(KIKKOMAN (S) PTE LTD.(KSP))

キッコーマングループのシンガポール生産拠点であるKSPは、シンガポール政府が開発を進めている
自然公園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」の目的である、水生植物などが営む水環境浄化活動を通してシンガポールの水環境改善を目指す活動を支援しています。
2021年には、KSP創立35周年を記念して、これまで支援してきた施設である「キングフィッシャー・レイク(水生生物保護区)」に隣接する「キングフィッシャー・ウェットランズ(マングローブと野鳥の保護区)」開発に50万シンガポールドルを寄付しました。この活動は、シンガポールが進める水質浄化と脱炭素活動に貢献するとともに、自然との調和と持続可能な社会づくりを目指すキッコーマングループの経営理念に合致するものです。
サステナビリティ・ギャラリーの開発支援(KIKKOMAN (S) PTE LTD.(KSP))

キッコーマングループのシンガポール生産拠点であるKSPは、長年に渡りシンガポールの自然公園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」内の「キングフィッシャー・レイク(水生生物保護区)」などで、環境活動を支援しています。
2025年には、シンガポール工場の出荷開始40周年を記念し、「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」に50万シンガポールドルを寄付し、園内に整備される環境配慮型の新展示コーナー「サステナビリティ・ギャラリー」の開発支援を行いました。このギャラリーは、水資源再利用で生物多様性を実現するレインガーデン、樹木を活用したエコファーニチャー、気候変動を学べるデジタルウォールで構成され、来場者が体験的に学べる空間です。
キッコーマングループは、今後も企業活動を通じてシンガポールがめざす自然との調和と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。



