環境コミュニケーションの推進

キッコーマングループは、コーポレートレポートや環境保全活動事例集などを公表することを通して、ステークホルダーとの情報共有に努めています。また、国・地方の行政機関・教育機関・業界・関連団体と連携・協働し、長年の企業活動で培ったグループ内の情報、技術、経験を広く地球社会の環境保全活動に役立てるように努めています。

1)もの知りしょうゆ館での環境保全活動展示

パネル展示「キッコーマングループの環境活動」
パネル展示「キッコーマングループの環境活動」

キッコーマン食品のしょうゆ製造工程を展示している「もの知りしょうゆ館」の一角に、キッコーマングループの環境活動をまとめたパネルを常設展示しています。

2)鉢植えの配布

キッコーマングループでは、工場から排出される排水を併設の処理施設にて浄化処理し、処理後に放流する河川などの汚染防止に万全の注意を払っています。

キッコーマン食品野田工場(千葉県野田市)および流山キッコーマン(千葉県流山市)では、この排水処理施設での浄化処理過程で発生する汚泥(おでい:泥状の沈殿物や浮遊物)のすべてを処理業者に委ねて発酵肥料化させ、農家などに提供しています。

この発酵肥料で育てられた花の鉢植えに、「鉢植えに用いられた肥料が汚泥から製造されたものであること」、「汚泥でも廃棄せずに再資源化することで有効活用できること」などが分かる図表やラベルを添付して、近隣の市役所、商工会議所、商店街などに配布し、「循環型社会を目指すことの重要性」を一層意識していただけるように努めています。

鉢植えと一緒に配布した図表(左)とラベル(右)
鉢植えと一緒に配布した図表(左)とラベル(右)
鉢植えと一緒に配布した図表(左)とラベル(右)

鉢植えを配布させていただいた皆様方からは、「排水にも栄養があることを理解できました」「特に肥料も加えないのに、花がきれいに咲きました」「よい状態の排水を流せば色々な恩恵があるのですね」「お客様と水や排水について話す機会が増えました」「夏休みに孫の宿題になりました」「この活動はとてもよいので、続けて下さい」などの感想が寄せられています。

市役所内の喫茶コーナーに飾られた花の鉢植え(2019年7月、千葉県野田市内)
市役所内の喫茶コーナーに飾られた花の鉢植え
(2019年7月、千葉県野田市内)
野田市駅前に飾られた鉢植えの花(2021年7月、千葉県野田市内)
野田市駅前に飾られた鉢植えの花
(2021年7月、千葉県野田市内)

2023年度も野田商工会のご協力を得て商工会会員の皆様にベゴニアの鉢花をお届けすることになり、茂木会頭に環境部長と処理業者代表が汚泥肥料の説明をしました。

2023年6月、キッコーマンは野田商工会議所女性会が主催する「子供たちと作る 花プロジェクト」に発酵肥料で育てられた花を提供しました。このプロジェクトは、子供たちが自分たちの手で花を植えることで、土に触れ、植物を大切にする心を養い、楽しみながら自然やSDGsに関心を持っていただくとともに、体験活動を通して新たな視野を広げ、意識の向上につなげるというものです。

2022年7月には、キッコーマンバイオケミファ鴨川プラントが汚泥たい肥で育成したベゴニア200本を鴨川市に寄贈し、長谷川市長から「素晴らしい取り組みです。花のあるまちづくりに寄与していただきありがとうございます」と感謝の言葉をいただきました。ベゴニアは同市市役所の花壇に移植され、鴨川市の皆様の目を楽しませています。

この「鉢植えの配布」活動は、東京湾再生推進会議モニタリング分科会、九都県市首脳会議環境問題対策委員会水質改善専門部会、東京湾岸自治体環境保全会議及び東京湾再生官民連携フォーラム東京湾環境モニタリングの推進プロジェクトチームが公表している「東京湾環境一斉調査 調査結果」において、「東京湾の海域および流域河川のさまざまな機関(企業・団体など)による水質改善などに関する普及啓発活動」の一つとして紹介されました。

3)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの「子どもの食 応援ボックス」に参加

生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」実現を目指して活動する国際NGOの日本法人:セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、子どもの7人に1人が相対的貧困下にあるといわれている日本で、子どもの貧困問題解決に取り組んできています。
2020年からは、新型コロナウイルス感染症拡大への緊急支援として「子どもの食 応援ボックス」を開始し、のべ8,881世帯の経済的に困難な状況にある子どもたちに食料品などを届けています。2022年は、対象地域を日本全国に拡大して、賛同する企業から食品や日用品の提供を求めています。
キッコーマングループもその趣旨に賛同し、2022年度は、キッコーマン食品製造の「減塩しょうゆ」(620ml)を提供しました。

4)クリーン作戦(地域の清掃活動)

キッコーマングループの各事業所では、社員たちが毎年、定期的に、また近隣の団体の方々とも協働で、事業所所在地区でのクリーン作戦(ごみ拾いや清掃活動)を実施しています。キッコーマン環境部(千葉県野田市)は2023年5月、「江戸川を守る会」開催の「江戸川クリーン作戦」に参加し、地元の方々と一緒に、江戸川河川敷のクリーン作戦(ごみ拾いなどの清掃活動)を実施しました。

また、キッコーマン食品野田工場(製造第3部)は、2022年8月、地元自治会の方々と一緒に、工場所在地区のクリーン作戦(清掃活動)を実施しました。

関連団体との連携・協働

キッコーマンは、関東農林水産関連企業環境対策協議会、食品産業センター・サステナビリティ委員会、千葉県環境保全協議会、PETボトルリサイクル推進協議会、ガラスびん3R促進協議会、日本容器包装リサイクル協会PETボトル事業委員会、生物多様性ちば企業ネットワーク などの企業会員として、多方面にわたって環境保全活動の推進に努めています。

1)JCLPに賛助会員として加盟

日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)
日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)

キッコーマングループは、2015年5月から、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)に加盟しています。JCLPは、持続可能な脱炭素社会の実現には「産業界が健全な危機感を持ち、自立的かつ積極的な行動を開始するべきである」という認識の下に、個別企業の枠を超えた、さまざまな産・産、産・官・学連携活動を推し進めるために、2009年7月に設立された日本独自の企業グループで、産・官・学での情報交換と共有化、協働の推進、RE100やEP100、EV100、再エネ100 宣言 RE Actionの運営などの他、たとえばパリ協定に基づく長期成長戦略など、さまざまな政策への提言も行っています。

2)「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」の日本プロジェクトに参加

また、キッコーマン食品は、2019年に、イオン株式会社が参画する「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」の日本プロジェクトに参加することを決定しました。世界では、約8億人(世界の人口の9人に1人)が栄養不足の状態にあるとされる一方で、人間が消費するために生産された食料の1/3に当たる、年間約13億tにも及ぶ食料が、「まだ食べられるのに廃棄に回されてしまう」、いわゆる「食品ロス(フードロス)」問題が起きています。日本でも、2016年度に国内で出された食品廃棄物2759万tのうち、食品ロス(フードロス)は643万t(うち、メーカー、卸・小売、外食などの事業系が352万t、家庭系が291万t)にものぼり、この量は国連世界食糧計画(WFP)が貧困や飢餓に直面している国々に支援している食糧の約1.7倍にも相当します。

WRI「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」始動 記者発表会(2019年12月、ベルサール神田)
WRI「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」始動 記者発表会
(2019年12月、ベルサール神田)

「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」は、地球環境と開発に関する政策研究・技術開発を行う米国の非営利のシンクタンク「世界資源研究所(World Resources Institute(WRI))」の呼びかけで進められるイニシアティブで、世界の大手小売業『10』社がそれぞれのサプライヤー『20』社とともに、20『30』年までにサプライチェーン全体で食品廃棄物の半減を目指すという取り組みです。この国際的なイニシアティブの2019年9月発足を受けて、日本ではイオン株式会社がWRIの承認の下、キッコーマン食品を含む食品メーカー(サプライヤー)21社と協働で、食品廃棄物の半減に向けて活動(プロジェクト)を開始しました。

3)「CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)」に参加

2021年9月、当社環境ビジョンの活動に資する海洋プラスチック問題への取り組み、プラスチック材料の3R、環境負荷の低いプラスチックの開発、実用化の進捗状況を把握するため、「CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)」に参加しました。


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4)「気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative)」に参加

2021年9月、気候変動に対する取り組みとして、地球温暖化抑制、温室効果ガス削減の目標達成に向け、JCI(JAPAN CLIMATE INITIATIVE 気候変動イニシアティブ)に参加しました。

5)「マリン・エコラベル・ジャパン協議会(MEL)」に正会員として参加

2023年6月、「日本の多様な自然、魚種、漁法、加工や流通、多彩な魚食文化を守るとともに、強みとして日本と世界の人々の健康で豊かな生活のためにお役立ちする」という趣旨に賛同し、マリン・エコラベル・ジャパン協議会(MEL)に正会員として参加しました。
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キッコーマングループ コーポレートレポート、環境保全活動事例集の公表

「キッコーマングループ コーポレートレポート」と「環境保全活動事例集」にキッコーマングループの環境保全活動をまとめ、WEB 上で公表しています。