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KIKKOMANのおいしい挑戦~アメリカ進出50周年~
ドイツではレストラン進出と展示会で人気に
1973年(昭和48年)、ヨーロッパの人々にしょうゆの味を知ってもらおうと、当社は西ドイツ(当時)のデュッセルドルフにレストラン「大都会」を出店しました。肉や魚介類や野菜を鉄板で焼き、しょうゆで味つけされた料理を現地の人々は大歓迎。75年にはハンブルグに2号店をオープンし、キッコーマンの駐在員事務所も同地に開設しました。
ヨーロッパの市場開発拠点を西ドイツ(当時)に置いたのは、ヨーロッパでは自国の料理に誇りと強いこだわりを持ち、他国の食品を容易に受入れない傾向がある中で、ドイツ人はおいしいと感じると、外国の食品でも積極的に受入れる傾向がみられたからです。
西ドイツでは世界の食品が一同に会する「国際食品展示会」が人々の関心を集めていました。当社は1976年(昭和51年)ハンブルグでの開催から参加しましたが、1日平均1万人の客を呼ぶほどの大人気。1977年(昭和52年)ベルリンでの「国際食品展示会」では当時の西ドイツ大統領が訪れてマスコミで話題になり、しょうゆと日本食品に対するドイツ人の関心はさらに高まりました。
キッコーマンしょうゆはスーパー店頭でデモンストレーション販売され、主婦向け雑誌では日本料理特集が何度も掲載されました。1979年(昭和54年)になると西ドイツの大手スーパーの65%までがキッコーマンを棚に並べるようになりました。
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1976年、ベルリンのデパート「Ca De We」の食品売場で現地スタッフにより催されたデモンストレーション
1979年 キッコーマン・トレーディング・ヨーロッパを設立
1979年(昭和54年)には、ヨーロッパの販売会社として「Kikkoman Trading Europe GmbH」(KTE)をデュッセルドルフ郊外のノイスに設立。
当時のヨーロッパへの輸出量は800キロリットル弱でしたが、ドイツはその約4分の1、またスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークの北欧諸国を合わせると約半分の380キロリットルになっていました。
北欧諸国ではバーベキューを楽しむ家庭も多く、しょうゆの味を受入れる下地があったのです。寒い季節にもしょうゆを使った炒め物や煮物などの料理をアピールし、通年使える調味料として定着していきました。
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1987年にオープンした西ドイツ「大都会フランクフルト店」。オープニング・セレモニーで従業員達がディスプレイ用の大型キッコーマンしょうゆ壜を抱えている
フランスの三ツ星レストランのシェフがしょうゆを高く評価
KTEの設立にともない、フランスとイギリスの市場開拓もスタートしました。しかし、どちらも自国の食文化に高い誇りを持ち、しょうゆの存在を知っていても調理に受入れようとはしません。また、ほとんどが中国レストランで使われる中国式しょうゆでした。そこで、当社の考え方としょうゆを正しく認識してもらうため、まずは両国の料理関係者、マスコミなどから、じっくりと理解を得ることにしました。それは「日本の食文化を押し売りするのではなく、各々の国の食文化を尊重し、その中にしょうゆを組み入れることで、その国の料理の個性を引き立てる役割を演じていきたい」ということでした。
イギリスでは80年代半ばからしょうゆを扱うスーパーも増え、90年にはBBC放送が野田のしょうゆづくりを番組で放映するなどして、しょうゆへの関心が一般家庭にも浸透していきました。
一方、フランスでは70年代に、伝統的なフランス料理を脱却しようと「ヌーヴェル・キュイジーヌ・フランセーズ(新しいフランス料理)」と呼ばれる運動が起こりました。素材そのものの味を生かした料理を目指すシェフや料理研究家の間で、しょうゆに注目する人々も増えてきたのです。
1974年(昭和49年)にフランス政府から「最優秀料理人賞」を授与した辻 静雄氏の影響もありました。
「ミシュラン」「ゴー・エ・ミョ」で最高位を得たパリのレストランの料理長アラン・サンドランス氏やリヨンの三ツ星レストランの料理長アラン・シャペル氏なども、当社が日本に招いた際に、しょうゆを高く評価しました。
オランダにヨーロッパ工場を設立
1990年代に入り、ドイツや北欧などヨーロッパでしょうゆは好調な伸びを続けました。それまでシンガポール工場から輸出をしていましたが製造コストや運賃、関税の上昇で、ヨーロッパの現地で生産するほうが有利と判断されました。
オランダはヨーロッパにおける当社製品の有力消費国の近くにあります。ホーヘザンド・サッペメア市はオランダ北部にあり、ドイツとの国境近くに位置し、北欧諸国とも近い場所にあります。約15万m
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の敷地を市から払い受け、しょうゆ工場を建設することとなったのです。
1996年(平成8年)、現地法人「Kikkoman Foods Europe B.V.」(KFE)を設立し97年に竣工。ヨーロッパ各国に向けて出荷を始めました。竣工式の席上、キッコーマン茂木友三郎社長(当時)は「18世紀、オランダ人が日本から運んだしょうゆは、フランス宮廷の食卓にも供せられたと伝えられているが、オランダでの生産開始にあたり感慨無量なものがある」と語りました。オランダの生産拠点は両国の長い歴史を通じて結ばれた固い絆を思わせるものでもあるのです。
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T O P
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