しょうゆの地域特性とその形成要因
しょうゆについて

しょうゆの製造方法は3種類

アミノ酸液や酵素分解調味液、発酵分解調味液を使用するか。これを、製造工程のどのタイミングで加えるかによって分類される。

※大豆や穀物に含まれるたんぱく質を、酸・酵素・発酵分解方式によってアミノ酸に分解したものを、アミノ酸液等と呼ぶ。天然の原料由来の調味料でありながら、多くの旨味を効率良く取り入れられることから、昭和に入ると多く使われるようになった。

本醸造
大豆と小麦でしょうゆ麹をつくり、食塩水か生揚げで諸味を仕込む。生産量全体の8割以上を占める基本的な製法。アミノ酸液等を使用しない点で他の2つの製法と区別されている。昔ながらのしょうゆ醸造法。

混合
生揚げにアミノ酸液等を混ぜてつくる製法。全国各地の生揚げ生産協業化によって生揚げしょうゆが効率的に製造されるようになり、おいしいしょうゆを廉価で製造できるようになった。砂糖類や甘味料などを加えることで旨味とのバランスをとったり、消費者の好みに合わせた味のしょうゆにアレンジされている。

混合醸造
本醸造の諸味にアミノ酸液等を加え、発酵・熟成させてつくる製法。アミノ酸液等を加える点と、諸味を持つ醸造元でしか作れない点で、他の2つの製法と区別されている。混合との品質差が余りないので生産量は少ない。

一般的なしょうゆの分類

濃口しょうゆ
しょうゆ生産量の8割以上を占める日本全国で親しまれているしょうゆ。塩味のほかに、深いうま味、甘味、酸味、苦味を合わせ持ち透明感のある明るい赤橙色をしている。調理、卓上用と幅広く使える万能調味料。

淡口しょうゆ
しょうゆ生産量の1割程度を占める。濃口しょうゆと比べて、色味が淡く、香りのおとなしいしょうゆ。色と香りの特徴を活かし、素材の持ち味を生かす料理に使われることが多い。

たまりしょうゆ
色が濃く、とろりとした口当たりが特徴のしょうゆ。大豆を主な原材料にじっくり1年間熟成させることで、濃厚なしょうゆに仕上がる。すし、刺身、照り焼き、佃煮などに使われる。

白しょうゆ
淡口しょうゆよりさらに色味の淡いしょうゆ。主な原材料は、精白した小麦と、少量の炒って砕いた大豆。独特の淡い色味に仕上げるため、醸造期間は3ヵ月と短い。吸い物や茶わん蒸しなどに使われる。

再仕込みしょうゆ
醸造工程を2度繰り返すような製法から、この名がついた。食塩水の代わりに生揚げしょうゆで仕込むことで、濃厚でとろりとした深い味わいに。甘露しょうゆ、二段仕込みしょうゆと呼ばれることも。刺身、すしなどのつけ、かけ用に使われる。

こいくちしょうゆができるまで
うすくちしょうゆができるまで
たまりしょうゆができるまで

しろしょうゆができるまで
再仕込しょうゆができるまで