しょうゆの地域特性とその形成要因
淡口しょうゆを中心に種類別に見たしょうゆの分布

 濃口しょうゆの醸造所は全国に分布しているが、淡口しょうゆは、当初、関西に集中しているものと考えられた。しかし、アンケートからは、九州、四国、中国地方などでも製造されていることが分かった。九州におけるヒアリングでも、刺身しょうゆは、甘味のある濃い粘性のあるしょうゆを使うが、煮物には、淡口を使うところも多く、使い分けをしているという。長野では9割、宮崎では8割、鹿児島では6割を淡口の製造に当てているところもある。
 一方、たまりしょうゆは、岐阜、愛知、三重に集中しており、大阪にもあるものの、ほかの地域ではほとんど製造されていない。豆味噌文化を持つエリアと重なる地域性が極めて明確なしょうゆと言える。白しょうゆも地域が限定され、愛知県の碧南に見られるが、他は、わずかながら群馬、千葉、埼玉に見られた。再仕込みしょうゆも中国地方にやや見られるほかは、静岡などにあるが、他のほとんどのところでは生産されていない。

淡口しょうゆを中心に種類別に見たしょうゆの分布