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『四季料理献立』より(1750年頃) |
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鯛を、時間をかけてゆっくり焼くことによって、水だし(昆布だし)で煮ている途中で身がくずれることを防ぐことができる。焼き鯛を豆腐や大根、ねぎとともにしょうゆ味で軽く煮上げると、鯛の焼き目が香ばしく、趣きのある一品になった。大鉢に一緒盛りにし、取り箸を添えて銘々に取り分けるのも、南蛮渡来の風情である。 |
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調
理
方
法 |
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(1) |
鯛の切り身を厚く切り、胡麻油を引いた鍋で焼き目のつく程に焼き、味をつけた煮汁に入れてしばらく煮る。 |
(2) |
途中で小袖に切った豆腐、短冊の大根、ぶつ切りのねぎを加えて味の含むまで弱火で煮る。 |
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『四季料理献立』より(1750年頃) |
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「鱈汁、煎海鼠(いりこ)はだしを使わずにしょうゆ味で塩梅するのがよい」と記しているのは、しょうゆがたらやいりこの独特のおいしさを引き出すからだろう。吸い物は塩で味をつけるだけではなく、隠しにしょうゆをたらしてうま味と香りをつけるのがよいとある。今に伝わる清汁への道程がここにある。 |
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調
理
方
法 |
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(1) |
生鱈といりこは食べよい大きさに切って熱湯で霜降る。松茸は繊切り、生のりは立て塩で洗い水気を切る。 |
(2) |
水だしに(1)の材料を入れて軽く煮立て少量の塩としょうゆで味を調える。 |
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『料理珍味集』より(1763年) |
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分量通りのしょうゆを加えて炊いたらどれほど濃いしょうゆ色になってしまうかと案じた一品である。このたび出来上がった江戸醤油で試作して、なるほどと膝を打った。書物をみただけではこのめしのおいしさはわからなかった。醸造期間が短い分、色が淡く、実によい味に仕上がったのである。 |
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調
理
方
法 |
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(1) |
米はしょうゆを茶碗の蓋に1杯と1割5分増しの水を入れ、更に胡椒小匙2杯を加えて炊く。 |
(2) |
鰹だしにしょうゆで薄味をつけて青刻み昆布を加え、(1)の飯を茶碗によそってかける。 |
(3) |
薬味は大根おろし、陳皮、唐辛子、山葵を好みで使う。 |
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『料理珍味集』より(1763年) |
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蛤のむき身にだしを加えて煎り、色を見ながらしょうゆで味を調えて粉山椒(こざんしょ)をふり、蛤を加える、「はまぐりの卯の花和え」である。豆腐を搾った副産物であるおからは、雪花菜、卯の花など文学的に美しく称されて、江戸時代から詩歌にも詠われてきた。やさしい、春らしい和え物である。 |
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調
理
方
法 |
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(1) |
蛤のむき身をしょうゆでサッと煮て下味をつける。 |
(2) |
おからをむき身の汁としょうゆで煎り、(1)の蛤を食べよい大きさに切って加え、好みの量の粉山椒をふる。 |
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