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『素人包丁』より(1803年) |
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江戸のおせちになくてはならない「こはだの粟漬け」は、こはだを腹開きにして粟で漬けた酢のもの。こはだが大きくなると「このしろ」と呼び、30cm位になる。塩と酢としょうゆの力で、日持ちがし、その上味が変わらずおいしさが当分楽しめる。冷蔵庫もなかった当時は一層ありがたかったことだろう。 |
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調
理
方
法 |
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(1) |
このしろは三枚に下ろして腹骨をすき取り、塩をして半日程おく。 |
(2) |
酢、酒、しょうゆを同量合わせて火にかけて冷まし、水気をふき取って2cmに包丁したこのしろを牛蒡と大根の繊切り、小梅干し、唐辛子 とともに漬ける。 |
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『素人包丁』より(1803年) |
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酢煮と書いて「すいり」と読む。説明は簡潔だが、作ってみると、粋で洒落ていて、余分な脂が抜けて実においしい。白く煮上がったはまちの味と色を生しょうゆと大根おろしがぐっと引き立てている。出来立ての熱いのを食べてほしい。現代の食卓にも定着してほしいと思う。他に真いわしの酢煮も美味である。 |
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調
理
方
法 |
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(1) |
はまちの切り身を粗い角切りにし、隠しに極薄い塩をふる。 |
(2) |
鍋に酢を煮立て(1)のはまちを入れて煮る。 |
(3) |
火の通ったはまちを煮汁とともに器に盛り、大根おろししょうゆか 山葵しょうゆで食す。 |
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『素人包丁』より(1803年) |
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こんにゃくをちぎって表面積を大きくし、味の含みをよくするなど、江戸の人たちは素材の特質をよく知っていたと思う。胡麻油は当時とても貴重で高価。だから、こんにゃくを使ったご馳走であったろう。「ねぶか」とは、根が真っ白でまっすぐな葱のことで、江戸下町の千住が産地。千住ねぎとも呼ばれている。 |
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調
理
方
法 |
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(1) |
こんにゃくをちぎりこんにゃくにし、塩でもんでアクをとる。 |
(2) |
(1)の水気をふきとり、14~15個を胡麻油で揚げる。 |
(3) |
冷めないうちに器に入れ、大根おろし、小口切りの葱、刻み唐辛子 などを添え、生しょうゆをかけてだす。 |
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「近茶流秘伝」より |
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近茶流家伝の秀逸な豆腐料理。水もだしも使わずに、豆腐の水分と鰹節の風味をしょうゆと砂糖と酒の力で引き出す。小鍋仕立てにして玉子がやわやわと豆腐にまとわるところををつつくのが良い。酒の肴にするもよし、ご飯のお菜にしてもよし。料理は手を加えすぎないで、そのものの本来の味に添うのがいいと、ふと思わせる。 |
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調
理
方
法 |
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土鍋に鰹節を敷き、奴に包丁した豆腐をおき、少量の酒としょうゆで味をつけ、煮立って豆腐が温まったのを確かめてから、玉子でとじて小口切りのねぎを添える。 |
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