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日本の「食」は、南北に長く、海に囲まれた島国の風土に支えられています。
主食には米・雑穀・豆を、菜には旬の走り、旬の盛り、旬の名残りという言葉があるように、四季折々の豊富な食材を取り入れてきました。
なかでも、それぞれの土地の特産食材を使って調理する郷土食は、年中行事を祝う料理として、代々受け継がれてきました。その料理の基本となる、こんぶ、かつおぶし、干ししいたけなどのだし類は、脂質がなく低カロリーです。この他、しょうゆ、みそ、ぬか漬け、納豆などの発酵食品も日本の「食」を支えてきました。このような食の情報が、私たち日本人の遺伝子に刷り込まれています。
時代をさかのぼると、675年(天武4年)の天武天皇による「肉食禁断の令」により、日本人は肉食を忌避してきました。
肉食が解禁されるのは、じつに千数百年後、1868年(明治元年)の文明開化です。しかし、庶民は肉食忌避の習慣が身につき、肉食になじめませんでした。そこで1872年(明治5年)、明治天皇が自ら牛肉を食し国民を啓蒙しました。その後、大不況・戦争などにより食糧事情の悪化が原因で中断されます。肉食が日常化するのは、終戦後のことです。
それから60数年の間に、日本人の「食」は急激に変わりました。 |
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右:「稲干す」 左:「稲刈上の日祝」無事に米が収穫でき、喜びに満ちた秋の農村風景(『農業図會』) 1716~19年(享保年間)頃の絵 |
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