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春を受けとる人は、 春を届ける人になる。
高校を卒業して、
ひとり暮らしをはじめた。
だけど期待していた
解放感とはうらはらに、
どこか寂しく不安な日々…。
そんなある日、宅配便が届いた。
段ボールの中からタッパーが一つ。
ふたを開けると、
お母さんが雛祭りにつくってくれた
華やかな「ちらし寿司」が。
ぷりぷりの椎茸とえび、錦糸卵が
酢飯の上で踊っている。
大好物のうなぎも。
「ちゃんとたべてる?」と
同封の手紙。
なぜだろう、ちらし寿司に
涙の味がまざった。
あれから数年。
「ちらし寿司宅配便」が
届くことはない。
こんどはわたしがつくる番だ。
いつか巣立っていく我が子に。
料理をつくってもらった人は
いつか、つくる人になる。
おいしい記憶をつくりたい。 キッコーマン。
INFORMATION
春を受けとる人は、 春を届ける人になる。(2023年3月)
第1回「あなたの『おいしい記憶』をおしえてください。」エッセーコンテスト入賞作「ちらし寿司宅配便」をもとに制作しました。
新生活への期待と不安が入りまじる春、「おいしい記憶」が一歩を踏み出す力になる。
桜の開花とともに、キッコーマンの「おいしい記憶をつくりたい。」への想いをお届けします。
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