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-よみもの-

第12回 小学校低学年の部(作文)優秀賞

おいしい!はつたわる

おしょくじのときに、「おいしい」といってはいけません。ぼくたちのはじめてのきゅうしょくのまえに、先生からおはなしがありました。おしょくじ中はマスクをはずすから、おしゃべりはしないでしずかにたべるのです。ぼくはえー、とおもいました。おいしかったら、しぜんと「おいしい」といってしまいそう。ちゃんとしずかにたべられるのか、すこししんぱいでした。

つくえの上をじょきんして、はじめてのきゅうしょくがはじまりました。マスクのまま、いただきますをしたら、あとはおしゃべりきんしです。メニューはホットドッグとポテトサラダとぎゅうにゅう。ぼくはこころの中で(おいしそう)とおもいました。まわりのおともだちも、そうおもったみたいでした。ケチャップとやいたソーセージのいいにおいがして、ほっぺたのうちがわがキュー、となりました。ぼくはたべるまえにきんちょうしていたことをわすれて、もぐもぐたべました。きゅうしょくをたべはじめて、気がついたことがあります。それは、おしゃべりをしなくても、おいしい!という気もちをつたえられるということです。ゆびで円をつくって見せあったり、おやゆびを立てて見せたり。かおをポンポンとさわる「おいしい」といういみの手わもおそわりました。

先生がマスクをしたまま、きゅうしょくのせつめいをしてくれることもあります。ぶりのせ中とおなかのかわのはなし。こくばんより大きいメカジキ。ぼくはへぇ、とおもったり、びっくりしながらあじわってたべます。しずかにたべるきゅうしょくが、こんなにたのしいなんておもいませんでした。おしゃべりをしなくても、おいしい気もち、うれしい気もちでクラスの中がポッとあたたかくなります。にこにこになります。みんなできゅうしょくをたべるのって、さいこうだとおもいました。きょうは、どんなおいしいサインをしようかな。ぼくはまい日のきゅうしょくがたのしみでしかたありません。

INFORMATION

第12回 小学校低学年の部(作文)優秀賞
「おいしい!はつたわる」
植木 快 うえき かい さん(東京都・7歳) 青山学院初等部 2年
※年齢は応募時

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