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-よみもの-

第13回 小学校低学年の部(作文)優秀賞

りんごで一番大作せん

ぼくは一番をとったことがありません。運動会のときょう走は二いでした。水えいもふ通くらい。ぼくは何かで一番になってみたいなと思っていました。ある時お母さんが、
「学校でりんごの皮むきをするから練しゅうしてみる?」
と言いました。ぼくはこれだ!と思いました。りんごは大すきです。たくさん皮むきの練しゅうをしたら、一番になれるかもしれません。りんごで一番大作せんのはじまりです。まずはお母さんがあらかじめ切ったりんごで練しゅうしました。すべるし右の親ゆびで上手く包丁をすすめられません。ガタガタになった皮を、お母さんがうさぎのお耳に切ってくれました。ぼくはうさぎちゃんを食べながら、何こも何こも皮むきしました。ところどころに皮がのこったりんごでも、お父さんやお姉ちゃんは
「すごい!おいしい。」
とよろこんでくれます。ぼくは、もっとうすく、もっときれいにむきたい!とやる気が出ます。親ゆびのうごきもよくなってきました。
いよいよ皮むき当日。ぼくはドキドキしながら包丁をとりました。りんごの丸い形に合わせてゆっくり進めること。力をかける時にはゆびのつけねをつかうこと。ぼくはいきを止めて包丁をうごかします。まっ赤なふじりんごの皮が、同じあつさで切れていきます。きゅう食室のはた先生が、
「すごく上手。」
と声をかけてくれました。ぼくはガッツポーズしました。きゅう食室の先生がほめてくれたから、大作せんは大せいこうです。たくさんれんしゅうしたからうれしかったです。そしてれんしゅうすればときょう走も水えいも一番になれるんじゃないかなと思いました。皮むきしたりんごは、食べていいですよ、と言われました。お家でもれんしゅうの時にたくさん食べたけど、どのりんごより百倍おいしかったです。
「快くんは食べるのも早いですね。」
とはた先生がわらいました。ぼくは食べる早さで一番になりました。

INFORMATION

第13回 小学校低学年の部(作文)優秀賞
「りんごで一番大作せん」
植木 快 うえき かい さん(東京都・8歳) 青山学院初等部 2年
※年齢は応募時

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