
Readings
-よみもの-
第16回 優秀賞
仏様へのお団子
私の家では、春と秋のお彼岸とお盆にお墓参りをします。その日の朝は、毎回母がお団子作りをしていました。仏だんの仏様、私の家のお墓と、ご本家様のお墓を合計すると十基、お寺のお地蔵様が七体、それぞれに二個ずつお団子をお供えします。そのためには、三十六個のお団子が必要です。たくさんのお団子が入った重箱を持ち、家族全員でお墓参りをし、お団子をお供えして回るのが兄と私の係でした。お墓参りが終わると、残ったお団子を二人で食べることができます。母がお団子を作っている時からずっと食べたいのを我慢しているので、お参りが終わり、やっと食べられるお団子の味がとても美味しく感じます。
小さい頃は、お団子をお供えする係だけでしたが、小学二年生になり、お団子を丸めて、なべに入れる係も担当するようになりました。そして、小学四年生の時には、最初から一人で作ることに挑戦しました。団子の粉を水で練るだけなのですが、水が少ないとパサパサでまとまらず、多いと丸める時に手にねばってしまい、形がくずれてしまいます。何回もやっていくうちにコツをつかみ、今では上手に作れるようになりました。
お供え団子は、ゆであがったお団子の表面に、薄く団子の粉をまぶした、味付けのないものです。あんこやきな粉で食べるお団子も美味しいですが、私は、家族の幸せと、自分が夢に向かって頑張れるように祈った後に食べる、そぼくでやわらかいお供え団子が大好きです。
母は、喜多方に嫁いで、お供え団子の風習を祖母に習ったそうです。祖母の後を継ぎ、母が行っている、ご先祖様を大切にするという風習を、一つ一つのお団子に願いをこめて、今度は私が守っていきたいと思います。
INFORMATION
第16回 小学校高学年の部(作文)優秀賞
「仏様へのお団子」
北見 日那(きたみ ひな)さん(福島県・11歳) 喜多方市立第二小学校6年
※年齢は応募時
「仏様へのお団子」
北見 日那(きたみ ひな)さん(福島県・11歳) 喜多方市立第二小学校6年
※年齢は応募時
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