Readings

-よみもの-

第16回 小学校低学年の部(作文)優秀賞

おじいちゃんおでん

 大さじ小さじはぼくにおまかせあれ。おしょうゆ、おさとう、みりんにおしお。おりょうりのあじつけをする時、なくてはならないのが大さじと小さじだ。きっちりはかってあじつけすると、まちがいなくおいしい。

 ぼくのお父さんとお母さんが、二人そろって土日もおしごとする時、ぼくはひいおばあちゃんのお家にあずけられる。すぐにぼくをほめてくれるひいおばあちゃん、おべんきょうを教えてくれるおばあちゃん、いっしょにおりょうりしてくれるおじいちゃん。三人がいるから、ぼくはお父さんとお母さんに、

「おむかえはゆっくりでいいからね。」

こう言って、いってらっしゃいができる。

 おじいちゃんのとくいりょうりは、カレー、おこのみやき、そしておでんだ。十二月のさむい日、おじいちゃんは朝から大はりきり。

「よし、今夜はおでんであったまろう。」

 朝ごはんを食べたら、すぐに下ごしらえ。ぼくもだいこんを切ったり、じゃがいものかわをむいたり、お手つだいをがんばった。おやさいの下ゆでがおわったら、とても大きなおなべでおでんのぐをにこむ。ここで、ぼくの大さじ小さじがとうじょうだ。まずは大さじで、おしょうゆ六ぱいにみりん二はい、おさとう一ぱい。つぎに小さじで、おしお一ぱい。おなべをまぜると、おなかのすくにおいがふわっとした。ものすごくおいしそうだ。

 おじいちゃんおでんのかくしあじは、二しゅるい目のおしょうゆ。大さじ六ぱいを入れたのはうす口しょうゆで、かくしあじは小さじ一ぱいのこい口しょうゆ。火をとめて、夜までまったらかんせいだ。ぼくがすきなのは、あじのしみただいこんと……あったあった、ほくほくのじゃがいも。黄色くて丸い、小さめのものをお口に入れたら、ぼくはびっくり。

「おじいちゃん、これショウガだよ!」

 おじいちゃんはぼくにないしょで、かくしあじにショウガをにこんでいた。かくしあじは、大さじ小さじではかってからにしてほしいな。

INFORMATION

第16回 小学校低学年の部(作文)優秀賞
「おじいちゃんおでん」
若狹 早(わかさ そう)さん(愛媛県・7歳) 愛媛大学教育学部附属小学校1年
※年齢は応募時

他の作品を読む

これも好きかも

共有

XLINE
おいしい記憶