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-よみもの-

第17回 小学校高学年の部(作文)読売新聞社賞

ひいおばぁちゃんのキュウリ

 私には静岡県に住んでいるひいおばぁちゃんがいます。

 毎年、夏に私達家族は東京に住んでいるいとこと一緒に、ひいおばぁちゃんに会いに行きます。

 三年前の夏、キュウリが大好きな妹は、映画「となりのトトロ」の一つのシーンを見て、

「私もサツキとメイみたいにキュウリを水で、冷やして丸かじりしてみたいな。」 と、ひいおばぁちゃんに話しました。すると、ひいおばぁちゃんはうれしそうに笑い

「じゃあ、みんなで畑に行こう。」

と、言うと、家の裏にある畑に連れていってくれました。畑に行くまでは、家と塀の間にある、細い道を通りました。その道には、ひいおばぁちゃんが大切に育てているお花などが咲いていて、私は、この畑や道を一人で手入れしているのかとおどろきました。

 畑にはキュウリの他にも大根やなすなどたくさんの野菜が植えられており、私と妹はどこにキュウリがあるのかを一生懸命探したので、やっと見つけた時にはとてもうれしかったです。

 ひいおばぁちゃんがその中でも一番のオススメを選んでハサミでくきを切ると、一本ずつ渡してくれました。とてもみずみずしく、輝いていて、キンキンに冷やした水につけると、もう待ちきれませんでした。

「せーの。」

と、みんなで言い、一口食べた時、パリッっという音と共に夏の暑さがふき飛ぶようなおいしさが口に広がりました。みんなが一斉に

「おいしい。」

と言うと、ひいおばぁちゃんは

「そうかい。よかったね。」

と目尻を下げながら言ってくれました。

 いつの間にか私よりも小さくなってしまったひいおばぁちゃんは、今はもう畑仕事はしていません。毎年夏になると思い出す、ひいおばぁちゃんとの思い出の味です。

INFORMATION

第17回 小学校高学年の部(作文)読売新聞社賞
ひいおばぁちゃんのキュウリ
野村 志伊(のむら しい)さん(和歌山県・11歳)智辯学園和歌山小学校 5年生
※年齢は応募時

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