
Readings
-よみもの-
2020年度 CGC賞
感謝
ぼくは、日頃料理を作らない。小学校や中学校で宿題に出たときだけ、仕方なく、という感じで作っている。 母に、今日の夕飯、何がいいか聞かれると決まって、「コロッケ。」と答える。母は、「他にはないの?」と聞き返してくる。だったら聞かなきゃいいのにと思いながら、違うメニューを答える。ぼくは、母の手作りコロッケが大好きだ。
あるとき、夏休みの宿題で、夕飯を作ろうという課題が出た。母に教わりながらコロッケを作ることにした。
初めに、玉ねぎをみじん切りに。手を切りそうととなりで母の声がしている。目が痛いし、時間はかかるし、手は臭くなるし、いきなり嫌になってきた。次にミンチ肉と一緒に炒めた。暑いけど、火が通るまで頑張った。そして、ジャガイモの皮をむく。包丁をどう握ったらいいのか分からない。なかなかうまくむけないので、とうとうピーラーに頼ることになった。それでも、手の皮がむけそうで見ていられないと母がとなりからいなくなった。ジャガイモを適当な大きさに切り、耐熱容器に入れて電子レンジに。やわらかくなったジャガイモをマッシャーでつぶす。暑い。でも、熱いうちにしないといけないらしい。料理を作るとはこんなに暑いのかと汗をかきながらつぶしていった。ミンチ肉とジャガイモをしっかり混ぜてやっと丸める。手が真っ赤になった。「いつになったら終わるのかな。違うのを作ればよかった。」と後悔した。
ころもをつける。汚れが少ないようにと考えながらつけるのだと聞き、料理は手順や手際など頭を使って考えながらするものなんだと実感した。油であげる。めちゃくちゃ熱い。がまんしながらやっとできあがった。かなり時間がかかった。 夕飯に、自分の作ったコロッケを食べた。家族はみんなおいしいと喜んでくれた。確かにとってもおいしかった。家族が喜んでくれてとても嬉しかった。でも、あっという間に食べ終わってしまった。コロッケは、作るのがとても大変だということが分かった。でも、ぼくは夕飯のおかずとしてリクエストし続けている。そして、必ず食べながら「おいしい。」と感謝をこめて言っている。

INFORMATION
感謝
角田 奏心 (柳井市立柳井西中学校2年)
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