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-よみもの-

2022年度 全国小学校家庭科教育研究会賞

弁当の日をきっかけに

ぼくたち伊江小学校は、年に三回弁当の日があります。弁当の日それぞれにテーマがあり、そのテーマに合わせて作ります。

ぼくは、この弁当作りをきっかけに、母へ対する気持ちが深まりました。

弁当の日当日、母は朝五時半に起き、前日の夜用意しておいた材料を出します。栄養バランスと色どりを考えて料理をしているのだと話していました。

メニューは、チキンの照り焼き、ゴーヤーチャンプルー、ニンジンしりしり、卵焼き、紅いものいもくず天ぷら、ちくわチーズ、枝豆にトマトです。中でも卵焼きは、想像していた以上に難しかったです。

まず、熱したフライパンに、油をひいて卵液を入れます。それから、焼き過ぎないうちに巻いていく作業を、母が手伝ってくれました。一緒にフライパンを持ち、巻くタイミングを教えてくれました。

いつも、口うるさい母ですが、母の優しさを感じました。

できあがった弁当は、緑、黄、赤、紫と、色とりどりの弁当で、見てもおいしい弁当に仕上がりました。色どりを考えているという母の言葉そのままです。

一緒に作ったというのもあり、食べてみると味も格別でした。

母は日頃から、仕事をしながら、ぼくたち家族のために、そうじや洗たく、ご飯を作ったり、その後片付けもしています。平日は、座るひまもないほどです。そんな母を見ているのに、母の言葉に反こうしている自分が、情けなくなりました。

弁当の日をきっかけに、料理をする大変さを実感することで、母のぼくたちに対する愛情の深さを、改めて知ることができました。

これからは、自分ができることを手伝い、母が少しでも休められるように心がけます。

INFORMATION

2022年度 全国小学校家庭科教育研究会賞
弁当の日をきっかけに
平田 知友楽 (伊江村立伊江小学校6年)

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