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-よみもの-

2023年度 日清オイリオ賞

世界一の「キッチンえいと」

コロナで休校になったころから、ぼくの家では、金曜日はお姉ちゃんとぼくが夜ごはんを作るようになった。キッチンMEの開店だ。メインにあうスープを一しょに考えたり、自分達でメニューを作ったりした。

お姉ちゃんが中学生になると、部活で帰りがおそいので、だんだんぼくがひとりで作るようになった。れいぞう庫にあるものでこん立を考えたり、本を読んでバランスのよいメニューも考えることができるようになった。楽しくて、いつしか、自分でつった魚と育てた野菜でレストランをけいえいすることがぼくのゆめになった。

ぼくの自信作は、てりやきチキンともやしのナムルだ。かわをパリッと焼いて、むし焼きにし、たれをじっくりからめたチキンと、れいぞう庫でしっかりひやし味をしみこませたナムルはぜっ品だ。

でも、世界一おいしい料理はぼくの保育園にある。なめらかでコクがあるコーンスープや、口にいれるとなくなるほどしたざわりがよいスイートポテトなど、卒園して何年たっても、あの味はわすれられない。どうしてもまた食べたくて、保育園でレシピをもらって自分で作ってみたけど、保育園の味をこえることはできない。

もっともっと研究して、保育園のように、食べた人が何年もわすれられないような料理を作れるようになりたい。いつか保育園をこえる「キッチンえいと」を開店するぞ。

INFORMATION

2023年度 日清オイリオ賞
世界一の「キッチンえいと」
佐藤 瑛都 (福津市立福間南小学校4年)

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