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-よみもの-

2023年度 全国小学校家庭科教育研究会賞

届け!!メッセージ弁当

ぼくは五才の時から卵焼き作りが大好き!!今ではオリジナル隠し味を考えたり、入れる具のバリエーションも増え、変わり卵焼きや、ときには食用色素でカラフルなおもしろ卵焼きを作ったりします。

作るのはもちろん、自分が楽しいからだけど、みんなにぼくの卵焼きを食べてほしくて、よくパックに入れてプレゼントします。

パパには、天かすやチーズ入りのおつまみ卵焼きを。おじいちゃんおばあちゃんの家へ行くときは、ネギや紅しょうがを使った彩り卵焼きを。お世話になった保育園の時の先生や、学校の先生、退職される先生にはとっておきの大きな卵焼きをお弁当パックにつめて渡します。サッカーの試合の日は、仲間とコーチへ早起きをして、チキンライスや焼きそば、そぼろを入れて巻いたパワー全開卵焼きを持っていきます。みんなで戦った後に食べる卵焼きは最高です。

ぼくにとって卵焼きは、気持ちをこめられ、いつでも伝えられるメッセージの送り方です。作っている時、パックにつめる時、相手に渡す時、すべてにワクワクしながら、相手の顔を思い浮かべ、「ありがとう」「大好き」「がんばろう」「ぼくがいるよ」「おつかれさま」「これからもよろしく」それぞれの人へ、ぼくの心からの気持ちをギュッ!!とお弁当にこめています。

そもそもぼくが卵焼き作りが好きになったきっかけは、弟のお弁当作りをママと一緒にやりたい!!と思ったからでした。ぼくの弟は今、年中さんの四才です。赤ちゃんの 0才から保育園に通っていて、一年に三回くらいお弁当の日があります。弟のお弁当の日は、ぼくは張りきって 5時半に起きてママと作ります。

最初にママが教えてくれたのが卵焼きでした。まだその当時の弟は、手づかみで食べる時期だったため、シンプルな味つけのみの卵焼きをていねいにていねいに巻いて、「たくさん食べて」と気持ちをこめて作りました。きれいに出来た卵焼きは、弟が全部食べて帰ってきてくれたうえ、なんと弟はその日からぼくの作った卵焼きが大好物になりました。

ぼくの張りきり弁当作りも、今年で 5年目。最近では、成長した弟にのり巻き卵焼きやカニカマ入り卵焼きを作り、他にキャラクター弁当や、おにぎりをサッカーボールにしてみたりと喜ぶものを工夫しています。まだまだママのように、うまくすき間をうめられなかったり、あげ物はママがとなりにいないと出来ないけど、気持ちをしっかりこめて、「大好きな弟、大きくなってね」とメッセージをお弁当いっぱいに詰めています。

弟が大きくなるにつれお弁当箱も大きくなるだろうし、ぼくも仲間が増えてゆくし、コロナ禍の制限もなくなり運動会やおでかけもみんなで行けるから、重箱いっぱいに詰めたぼくの気持ちをどんどん届けていきたいです。

INFORMATION

2023年度 全国小学校家庭科教育研究会賞
届け!!メッセージ弁当
服部 凌 (大垣市立中川小学校5年)

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