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-よみもの-

2024年度 特別賞

弁当の日 おいしい記憶のエピソード

 遠足や運動会、行事ごとに母が作ってくれるお弁当はいつもキャラ弁でした。
 僕が言うのも変ですが、完成度は高かったと思います。
 キャラクターはリクエストしたものだったり、お楽しみだったり、時には友達のリクエストで作ってくれることもありました。
 ひっくり返さないように慎重に運んでいたことを思い出します。
 お昼はみんなが僕の弁当をみてわいわいと楽しく食べる時間が大好きでした。
 料理は栄養のあるものをバランスよくおいしくいただくのはもちろんですが、人によろこんでもらう料理の楽しさに気付いてからは作ることも楽しくなりました。
 小学校の6年間は特別支援学級で過ごし、そこではよくおやつやパンをつくりました。
 時にはプロの先生に教えていただいたり、僕たちがお店を開いて、保護者や先生たちに来てもらうときもありました。
 趣味のキャンプでは焚き火を使ったキャンプ飯が楽しくて、僕は朝ごはんを担当します。ただ卵を焼いただけでも外で食べるごはんはおいしくてそれをよろこんで食べてもらえるのはとてもうれしいです。
 そして中学生に進路について考えているうちに「食」についてもっと学びたいという気持ちになりました。
 この夏休みには自分が希望している学校のオープンキャンパスに参加をして来ました。
 そこでは先輩たちに教わりながらクレープを作ったのですが、緊張してクリームが上手に絞れなかったり、慌ててしまって包丁の使い方も難しくて大変だったけど、盛り付けの仕方など短い間で多くを知ることが出来ました。この先進学したら基礎をしっかりと学び、まずは調理師免許を取るのが目標です。
 将来のことはまだ決めていませんが、今興味のある防災食や非常時に役立つレシピやおいしい保存食を自分で作ってみたいです。
 そして、母が作ってくれたキャラ弁のように楽しくて人に喜んでもらえるおいしい料理の作れる料理人になりたいと思っています。

INFORMATION

2024年度 特別賞
弁当の日 おいしい記憶のエピソード
室津 奎心(松山市立勝山中学校3年)

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