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-よみもの-

2025年度 特別賞

家族の存在

 私が自分のお弁当を作り始めたのは中学生になってからだ。小学校の頃は給食があったし、遠足の時も母に作ってもらっていた。しかし、私も中学生になりそろそろ自立していかなくてはと思い、毎朝少し早く起きて自分のお弁当を作るようになった。
 初めは不慣れながらも母と一緒に精一杯作った。小学生の頃はあまり料理などはしてこなかったので、お弁当を作るのは初めての経験で予想以上に難しかった。でも、初めてお弁当を作り、完成した時には達成感でいっぱいになった。
 学校に持っていくため、隙間があると持っていくときに崩れてしまうし、夏などは特に暑くなるため、衛生上しっかりと冷やさなくてはいけない。他にもいろいろと気を付けなくてはいけない点があり、朝の忙しい時間にお弁当も作るのはとても大変だった。
 それでも、毎日作っているうちに手際もよくなり、今では自分のお弁当を作るのと一緒に母の分まで作ることができるようになった。
 時々、朝に時間がなくて母に私のお弁当を作ってもらうときがあるが、その時のお弁当は私とまるで違っていて、同じ時間で作ったとは思えないほど差があるのだ。何が違うのだろうと考えてみると、もちろん盛り付け方や色どりを考えて少し工夫してくれているのも大きな違いなのだろうが、一番は相手のことを考えているかどうかだと感じた。私も、母のお弁当を作るようになり、私が作ったお弁当を仕事中の母が疲れた時に食べる姿を想像し、心を込めて作った。すると、夕方母が帰ってきたときに、「今日のお弁当美味しかったよ、ありがとうね」といわれ、あまり上手ではないお弁当でも、私が心を込めて作ったから喜んでもらえたんだととても嬉しくなったことを今でも覚えている。
 また、お弁当を自分で作るようになってから、両親が普段当たり前のようにやってくれている料理や洗濯、洗い物など、どちらも働いていて忙しい中、家族のためにやってくれているんだなと、改めて家族の存在の大きさに気づかされ、自分も洗い物や料理を手伝うようになった。
 私が毎日のお弁当作りで実感したことは、気持ちがこもったお弁当は人を笑顔にできること、そして、当たり前だと思っていた日常生活は家族にたくさん支えてもらっていたことだ。これからも、心を込めてお弁当を作っていきたい。また、いつも支えてくれている家族に感謝し、家事の手伝いなどを積極的に行い、少しでも負担を減らせたらなと思う。

INFORMATION

2025年度 特別賞
家族の存在
佐藤 佳莉奈(東京都 渋谷教育学園渋谷中学校 1年 )

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