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-よみもの-
2025年度 全国小学校家庭科教育研究会賞
お母さんの牛丼
もうすぐ三才になるわたしの弟は、好ききらいが多く、やさいを食べてくれません。お母さんは、弟がどうしたらやさいを食べてくれるのか、毎日なやんでいます。
そんな弟がよろこんで食べるものの一つに牛丼があります。しかし具は食べません。ごはんに牛丼のしるをかけたものです。
それなのに、お母さんは牛丼の時だけすごくうれしそうなのです。
「これには、何かひみつがあるのかも!」わたしは、そう思いました。そして、夏休みにお母さんといっしょに牛丼を作ってみることにしました。
お母さんのひみつは作り始めてすぐにわかりました。切ったにんじんと玉ねぎをミキサーに入れて、細かくしていたのです。細かくしたものを牛丼にまぜても、やさいがかくれていて食べやすいくふうがありました。よくにこんでできあがった牛丼はやさいが入っているとは思えない、いつもの「お母さんの牛丼」でした。弟がよろこんで食べているところを見ると、心が温かくなりました。
お母さんが作る料理には、ふつうのレシピにはないような具が入っていることが多いです。親子丼や牛丼にはきのこが毎回入っているし、その時れいぞう庫にあるやさいを何でも入れます。焼きそばは、やさいが多いのか、めんが多いのかわかりません。
わたしも小さいころは、好ききらいが多かったけれど、今は何でも食べられます。お母さんは好ききらいをなくすためにたくさんのくふうをしてくれていたのだと思いました。お母さんが作った料理には、たくさんの愛じょうがつまっていることがわかりました。
弟はもうすぐようち園に入園します。ようち園には毎日おべん当を持っていきます。おべん当に何を入れるのか、お母さんはもうなやんでいます。だから、次はわたしが弟にやさいをおいしく食べられる料理を考える番だと思いました。大好きな弟に、えいようたっぷりのおべん当を食べてもらって、ようち園生活を楽しんでほしいです。

INFORMATION
お母さんの牛丼
高尾 咲和(香川県 高松市立円座小学校 4年 )
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