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-よみもの-

「あなたのおいしい記憶」エッセー、作文コンテスト2020 エッセー部門優秀賞

一杯の餃子と一杯の麺(一碗饺子一碗面)

2008年のある冬の夕方、授業を終えて大学の寮に戻りました。数日前に学生英語交流協会の副会長である先輩がとても美味しい山西省の餃子や麺料理を出す店を勧めてくれたのを思い出し、ルームメイトの陳さんを誘って一緒に行きました。先輩が教えてくれた方向を向かって行くと、すぐにバラック小屋街にある小さい店が見つかりました。店の入口は低く、古びていました。気づけば日が暮れるのも早くなり、ガラス扉全体が結露で覆われて、店内はよく見えませんでした。疑い半分で扉を開け暖簾をくぐると、暖かい空気と一緒に芳しい匂いがふわっと香ってきました。ちょうど練炭ストーブのそばの席が空いていたので、私たちは急いで座りそれぞれ餃子を一人前ずつ注文しました。
料理を待っている間に、中国の南北における食習慣の違いについて話していると、しばらくして餃子が運ばれてきました。このようなスープに入った餃子を食べるのは人生初めてで、酸辣ベースのスープに香菜と真っ赤な唐辛子が浮いていました。牛肉と青ネギの餃子を注文した私は待ちきれずにガブリと一口を噛むと、ジューシーな肉汁が溢れだし、皮はもちもちとした歯ごたえがたまらない。酸味と辛味が絶妙に合わさって食欲をそそる美味しさでした。餃子を食べ終わった後にスープも一気に飲み干すと、冷えていた体もすぐに温まっていました。南方出身の陳さんも「これ、すんごいうまい!」と大絶賛。お会計の時に、刀削麺を注文した人が多いことに気づき、次回はそれを試そうと心に決めて店を後にしました。

ある土曜日の夜、学生英語交流協会が学生向けの映画鑑賞会を主催しました。私は仕事を済ませてスタッフエリアに座って映画を見ていたのですが、先輩がこちらにやってきたので挨拶をし「先日は美味しい餃子屋さんを紹介いただきありがとうございます」とお礼しました。
映画が終わったのはもう19時過ぎで、皆ちょうどご飯がまだだったので、会長がこの店に行こうと提案しました。私はためらいなく刀削麺を注文しました。ほどなく麺がくると、待ちきれずにまずスープを一口。牛肉の旨味が主役になった濃厚なスープに舌が躍りました。この美味しさは決して化学調味料で味付けされた単調なものではなく、間違いなく長時間煮込んだであろう深みのある味でした。麺は刀で削られコシと歯ごたえがあり、牛肉の塊肉も歯ごたえがあって、噛めば噛むほどにうま味が出てきます。この店は牛肉ねぎ餃子も牛肉刀削麺もそれぞれ特徴があり、甲乙つけがたいです。寒い冬の日に一杯の熱々のスープと麺をいただき、心も体も満たされました。

その後、先輩は私の恋人になり、今の夫になりました。私たちはよく一緒にこの店に食べにいきます。毎回、一杯の餃子と一杯の麺を注文し、二人でシェアして食べます。こうすれば餃子と刀削麺を一緒に楽しむことができます。卒業してから10年近く経ち、もちろんたくさんの美味しい食べ物に巡り合いましたが、あの貧しかった学生時代に分かち合った気持ちと、店の主人が強い山西省なまりで、注文を受けた後に厨房に叫ぶ「餃子一丁、麺一丁」がなにより一番記憶に残っています。



2008年的一个冬天的傍晚,上完课后回到大学宿舍里。想起前几日英协副主席的学长跟我推荐过有一家山西饺子面馆很不错,于是邀请舍友陈一起去。根据学长提供的方位,我们很快找到了这家坐落在棚户区的小店。门脸看起来破旧矮小,天黑的早玻璃上凝结着雾气,里面的情况看的并不十分清楚。我们一脸怀疑的推门掀开门帘进去,瞬间一阵暖流夹杂着饭香扑面而来。刚好挨着蜂窝煤炉的地方有位置,我们就赶紧坐下来各自点了一份饺子,然后讨论着南方与北方饮食的区别,不大一会儿两碗饺子就端上来了,还是第一次吃这样泡在汤里的水饺,汤是酸酸的上面漂浮着香菜和辣椒。牛肉大葱的饺子馅儿很软很香咬一口满是香香的汤汁,皮硬硬的很有嚼劲。酸与辣相互碰撞,味蕾大开。吃完饺子后将汤也一饮而尽,顿时浑身热乎乎,身为南方人的陈也赞不绝口。去结账时意外的发现其他人大多点的是刀削面,所以暗自想着下次来试一下这里的刀削面。

一个周六的傍晚英协组织了观看英文电影的社团活动,我忙完后就坐在工作人员区域看了会儿电影,见学长忙完后坐过来了,我就客套了两句,并感谢他上次推荐了好吃的饺子馆给我。电影放映结束后已是7点多了,大家又刚好都没有吃饭,所以会长提议一起去了这家店。这次自然点了刀削面。面上来后迫不及待的先喝了一口汤,好浓郁的牛肉汤,感觉舌头已在欢快的跳动了。这美味一定是经过很长时间熬制出的绝不似鲜味剂调出的那样单调,面是刀削面硬硬的非常有嚼劲,牛肉块也是硬硬的,越嚼越香。这家店无论是牛肉水饺还是牛肉面都各有千秋不分伯仲。寒冷的冬天一碗热乎乎的汤面下肚,吃的心满意足。

再后来的后来学长成了我男朋友也就是现在的老公。我们经常一起结伴去吃这家店,每次都是点一份饺子一份面,两个人分着吃,这样就能同时享用到饺子和刀削面了。毕业后将近10年时间内当然也吃过很多美食,但是那种清贫的学生时代分享的感觉以及老板接单后对着后厨喊出的带有浓厚的山西口音的“一碗饺子一碗面”最令人难忘。

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一杯の餃子と一杯の麺(一碗饺子一碗面)
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