世界の食卓をめぐる

- 展示期間
- (1999年7月~2000年3月展示)
「食」を中心とする生活様式はそのまま「食文化」となり、地域や民族、時代の変遷のなかで育まれてきました。
世界の人びととの交流が盛んになり、情報メディアの発達やライフスタイルの変化が著しい今日、私たちの暮らしも国際化の流れを反映し、新しい食文化を生みだしつつあります。世界に目をむけると、近年では日本をふくめたアジアの食が注目され、欧米に浸透するだけでなく、融合して新しい食文化を形づくるとともに、フランスのように伝統料理を見なおそうとする傾向もあります。
当社では、世界の食文化を考える視点から、これまで各国大使館のご協力のもとに、お国自慢の料理の数々を紹介させて頂いてきました。どの料理もお国ならではの個性と魅力にあふれるものばかりです。
そして、これらの料理は当センターに集積される貴重な資料でもあります。
ご協力を頂きました各国大使館のみなさまには重ねてお礼を申し上げます。
世界の食卓をめぐる―世界の家庭料理をその国の方たちがご紹介します。
アジア・オセアニア
世界中で食べられているタイ料理

■主要言語:タイ語
国中いたるところに仏教寺院(ワット)があり、タイの風景を彩ります。
この国は舞踊と演劇が盛んで、影絵芝居やあやつり人形なども人気があります。これらの音楽はタイの伝統音楽で、吹奏楽器や打楽器で構成する5~10人ほどの音楽隊が担当します。

牛肉の唐辛子炒め(手前右)鶏肉のグリーンカレー(中央)
トムヤムクン(奥左)タコー(タイ風デザート)(中央奥)
タイ料理はスパイシーな料理で、甘み、酸味、塩気などが活かされています。調理法は中国人に学び、スパイスはインドを起源とするカレー料理の影響を受けています。
タイの主食は米で、地方によってモチ米かウルチ米を食べています。
タイ料理の大部分には、ナム・プラーと呼ばれる魚醤が使われます。
魚の塩辛を長期間発酵させてその液体を集めたもので、他にニンニクや赤トウガラシ、レモン汁などが調合されます。

サワラック・アタユックさん
タイ風チャーハンは、上に香菜を散らしてタイらしさを。しょうゆはタイの調味料ナム・プラー(魚醤)とは違った味わいで、料理がマイルドになってコクがでますね。
(1995年5月16日)
●材料(4人分)
・たまねぎ・・・・・・・・1/2個
・ミニトマト・・・・・・・8個
・サラダ油・・・・・・・・大さじ2
・にんにく(みじん切り)・小さじ1
・えび・・・・・・・・・・2/3カップ
・こしょう・・・・・・・・少々
・グラニュー糖・・・・・・小さじ1弱
・卵・・・・・・・・・・・1個
・ご飯・・・・・・・・・・2カップ
・減塩しょうゆ・・・・・・大さじ1強
・トマトケチャップ・・・・大さじ2
・青ねぎ・・・・・・・・・3本分
・香菜・・・・・・・・・・適量
*1カップは約240cc
●作り方
(1)たまねぎは5mm厚さに、ミニトマトは半分に切る。
(2)フライパンにサラダ油を熱し、にんにくを炒め、よい香りがしてきたら、殻と背ワタを取り除いたえびを炒める。
(3)(2)に(1)を加えて炒め、こしょう少々、グラニュー糖を加える。卵はほぐしてフライパンの端に入れ、ご飯2カップを加えて焼くようにしてさっと混ぜる。
(4)減塩しょうゆ、トマトケチャップで味を整え、1cm長さに切った青ねぎを入れてさっと炒めて器に盛り、香菜適量を散らす。
食文化のデパート

■主要言語:マレー語、英語、中国語、タミール語
ほぼ赤道直下のため熱帯性気候の常夏の国です。街には日陰をつくるために樹木が植えられ、花々も暑さを忘れさせてくれます。この国は「ガーデンシティ」の愛称を持っています。花のなかでも蘭は特に有名で世界一の栽培量と輸出量を誇っています。

シンガポール風五目きしめん(左)
シンガポール風豚肉の煮込み(後) 肉詰め手羽先(前)
国際都市にふさわしく、シンガポールには世界の食べ物が集まっており、シンガポール料理ともいうべき土地の料理は実に多彩です。
中国料理がその主流ですがマレー料理やインド料理、ニョニャ料理、海鮮料理なども楽しまれています。
シンガポールは外食社会で舌の肥えている人が多く、飲食店のレベルも高いといわれています。
さまざまな料理を一堂に集めた屋台の食べ物市はシンガポール自慢の名物です。

ピーター・タンさん
この料理(肉詰め手羽先)は本来、ころもをつけて揚げますが、私流にヘルシーにオーブンで焼いてみました。シンガポールではトロッとした甘みのある黒しょうゆと、日本のしょうゆを組み合わせて使うことが多いですね。
(1995年7月13日)

●材料(4人分)
・鶏の手羽先・・・12本
[下味]
・しょうゆ・ごま油・・・各大さじ1
・オイスターソース・・・大さじ1/2
[具]
・干ししいたけ・・・3枚
・背ワタを取ったむきえび・・・100g
・鶏ひき肉・・・200g
・しょうゆ・・・小さじ2
・ごま油・・・小さじ1
●作り方
(1)鶏の手羽先12本は関節をよく折り曲げる。骨と肉の間にキッチンバサミで切り込みを入れ、肉を手で下に押して骨をはずす。
※切り込みは1/3くらいまで入れると骨をはずしやすい。
(2)(1)にしょうゆ・ごま油各大さじ1、オイスターソース大さじ1/2で下味をつけ、味をなじませる。
一晩漬けるとより味がなじんでおいしくなる。
(3)もどして軸を取った干ししいたけ3枚、背ワタを取ったむきえび100gは粗いみじん切りにする。
鶏ひき肉200g、しょうゆ小さじ2、ごま油小さじ1を加えて混ぜる。
(4)(2)に(3)を詰める。
(5)170度に温めたオーブンで(4)を約25分焼く。
盛んな漁業と多彩な香辛料

■主要言語:ベンガル語
バングラデシュは、国土の大半がガンジス、ブラマプトラ、メグナの三大河川のつくり出したデルタからなる国です。この国にはサリーとして使った布でつくる刺繍キルトがあります。バングラデシュの女性たちの手で受け継がれてきた美しい品々です。

鶏肉のパイナップルカレー(中央)なすのスイートアンドサワー(後左)
フィッシュ・カバブ(後右)
バングラデシュを含むベンガル地方は、昔から米やダール、野菜、魚を料理の主な材料としてきました。
魚料理としては、とりたての大魚を薄く長い切り身におろしたあと、日に干し、これをカレー料理に用いるなどして食べます。
この干し魚を食べる習慣はビルマ系の人びとが伝えたものです。
また、魚料理だけでなく、肉料理、野菜料理など、それぞれの料理に適したマサラ(スパイスをミックスしたもの)を用います。

ニルファー・アーメッドさん
バングラデシュは、カレーとご飯の国。家庭では、それぞれ好きなスパイスをブレンドして作ります。このカレー(鶏肉のパイナップルカレー)も、そんな料理のひとつ。しょうゆは、まろやかな味で、カレーによく合います。
(1996年2月21日)
食材に合わせた香辛料調合の妙味

■主要言語:シンハラ語、タミール語、英語
スリランカは、熱帯に位置し、インド洋に浮かぶ緑豊かな美しい島国です。よく霧の発生する丘陵地帯は紅茶栽培に適し、世界を代表する生産国となっています。また、この国は宝石の産地としても有名で、今もなお伝統的な方法で掘り出されています。

ミックスベジダブルカレー(後左)チキン・バドゥン(中央)
えびとトマトのカレー(前右)イエローライス(前左)
あらゆるスリランカ料理は香辛料で味付けされ、カレー抜きには考えられません。
食材によって多彩な香辛料を調合して、牛や羊、鶏といった肉や、魚、カニ、エビ、イカなどの魚貝、そしてカボチャやジャガイモ、ナスなどの野菜を煮込みます。 これらの料理を3~5品、皿に盛った米飯のまわりに並べ、香辛料で味付けしたダール(豆のカレー)をかけて食べます。

チャンドリカ・ナワットナラージャさん
スリランカでは、しょうゆはスパイス同様、料理や食材に合わせてよく使います。今回は辛さをひかえた都会的な料理(ミックスベジタブルカレー)ですが、地方料理はもっとスパイシー。チリパウダーの量は好みで加減してください。
(1997年7月15日)
イギリス食文化の影響

■主要言語:英語
ニュージーランド自身のなかにひとつの世界があるといわれるように、南太平洋や日本、イギリスやスイス、北欧などといった地域に似た多彩な自然景観を持っています。この国に暮らす人びとのあたたかさは国民性ともいわれ、穏やかな街の姿にも現れています。

ニュージーランド産ムール貝のガーリック詰め(写真前左)
牛ヒレ肉のにんにく・わさびソース添え(前右)
アフガン(ニュージーランド風クッキー)(後右)
キーウィ・チーズ・野菜のサラダ(後左)
ニュージーランドの家庭料理にはイギリスの影響が見られます。
たとえば朝食はオートミールかコーンフレークに始まり、卵とベーコンにトーストが出され、紅茶で終わります。
この国では牧畜が盛んなので、野菜をそえたラムなどの肉類もよく食べられます。
また、近年ではアジアの食材も使われています。

ブリジット・チックさん
この料理(ムール貝のガーリック詰め)は、私の国の代表料理。近ごろニュージーランドではアジアの食材をよく使います。しょうゆは味に深みが出て、まろやかになるので欠かせませんね。
(1995年3月14日)

●材料(48個分)
・ニュージーランド産ムール貝
(ゆでて冷凍されたもの)・48個
・白ワイン・・・・・・・・2/3カップ
・無塩バター・・・・・・・1カップ
・しょうゆ・・・・・・・・大さじ1
・ガーリックペースト・・・大さじ3と1/3
・パセリ(みじん切り)・・大さじ3
・生パン粉
(サンドイッチ用パンで作る)・2カップ
・レモン(飾り用)・・・・適量
・パセリ(飾り用)・・・・適量
※ニュージーランド産ムール貝はパーナ貝として売られています。
※1カップは約240cc。
●作り方
(1)冷凍のムール貝は、室温で1時間置き、もどす。
(2)白ワイン、溶かした無塩バター、しょうゆ、ガーリックペースト、パセリのみじん切り、パン粉をよく混ぜる。
(3)天板に(1)を並べて(2)を小さじ1ずつのせ、キツネ色になるまでグリルする。
(4)皿に盛り、くし型に切ったレモン・パセリを添えてレモンを絞っていただく。
ヨーロッパ・アフリカ
世界の舌で磨かれた料理

■主要言語:フランス語
絵画や文学、建築や映画など幅広いジャンルの芸術で知られるフランス。この国はシャンソンに代表される豊かな音楽の伝統を持っています。エディット・ピアフやイヴ・モンタンなどの歌手も続々登場し、世界を魅了しました。

豚肉のはちみつスパイス焼き(前右)かにのサラダ(左)
チョコレートケーキ(後)
フランス料理は数多くの地方料理の総称です。
その地方料理が、国際都市パリに集まる全世界の人びとによって食べられ、洗練され、今日のフランス料理となっています。
この国には多彩な歴史や風土があり、また産物もさまざまで、これらを背景に豊かな地方料理が育まれてきました。

ダニエル・マンガーさん
日本に来てしょうゆのおいしさを知りました。サラダにそのままかけたり、ビネガーやオイルに加えたりします。この料理(豚肉のはちみつスパイス焼き)はフランスの家庭でよく作られるお惣菜。しょうゆを加えてコクをプラスしました。
(1997年3月11日)
家族そろって楽しむ早めの夕食

■主要言語:オランダ語
運河や川、湖水など、オランダは水の豊富な国です。オランダのシンボル・風車は、もともとは湧き出る水を揚水する目的で作られたもので、水という自然の脅威と闘う知恵のひとつでした。今日では釣りやウォータースポーツなど自然を楽しんでいます。

チキンとパインのカクテル(左) レッドパプリカの肉詰め(前)
ダッチアップルケーキ(後)
オランダの朝食や昼食は比較的シンプルで、パンやチーズ、ソーセージなどですませます。
夕食の例としては、スープに始まり、野菜や牛肉、ベーコンを材料とした料理が続きます。夕食は比較的早めです。なお、ダッチアップルケーキは伝統的なお菓子です。

エンゲリン・モルートロンプさん
オランダ特産の赤ピーマンとゴーダチーズは日本でもすっかりおなじみ。しょうゆをひき肉の隠し味にして、ふたつの国の食文化の出会いを演出してみました。江戸時代、オランダ人が東洋の貴重なスパイスのひとつとして、はるばるヨーロッパに運んだ日本のしょうゆ。300年たった今、肉や魚貝によく合う調味料として、一般家庭でも気軽に使われるようになるなんて、すてきですね。
(1997年10月9日)
作っていただいたのは、レッドパプリカの肉詰めです。
日本の家庭でも緑色のピーマンを使って肉詰めを作りますが、教えていただいた肉詰めはオランダ産の大きなピーマンを使ったもので、オーブンを使って焼き上げるので形が崩れず、味も十分にしみ込んだものでした。
出た肉汁はコーンスターチを加えてソースに。しょうゆのたっぷり入ったこの料理、ご飯にもよく合いますが、マッシュポテトを添えてもおいしいそう。
見た目も味も申し分ないこの料理、夕飯のおかずに、おもてなしにもぜひどうぞ!
レッドパプリカの肉詰め(RED RAPRIKAS STUFFED WITH GROUND MEAT)
●材料(4人分)
・赤ピーマン 4個
・牛挽肉 300g
・食パン 3枚
・牛乳 大さじ2~3
(食パンに十分しみこませる)
・タマネギ(みじん切り) 1個
・卵 1個
・塩、こしょう
・ナツメグ
・ゴーダチーズ(おろしたもの)
大さじ2(3~6ヵ月のものがよい)
・バターまたはマーガリン
・ビーフストック 300cc
・パセリ(みじん切り) 大さじ2
・セロリ(みじん切り) 大さじ1
・ニンニク(みじん切り) 2片
・キッコーマン特選丸大豆しょうゆ
大さじ2
・コーンスターチ
・ブロッコリ
・塩
・ショウガ(みじん切り)
・赤トウガラシ
(みじん切り、種を取り除く)
・野菜油またはごま油 小さじ2

●作り方
(1)赤ピーマンをよく洗い、先を2センチ切り取り芯と種を取り除く。
(2)挽肉に牛乳に浸した食パン、タマネギのみじん切り、卵、パセリ、セロリ、塩、コショウ、ナツメグ、ニンニク、しょうゆを加え、混ぜ合わせる。
(3)赤ピーマンに挽肉を詰め、上にチーズをのせる。
(4)赤ピーマン1個にバターまたはマーガリンをひとかけずつのせ、油を塗った天板に並べる。
(5)スープストックを注ぎ、温めたオーブン(220度)で約1時間、時々焼き汁をかけながら焼く。
(6)赤ピーマンを取り出し、焼き汁にコーンスターチでとろみをつけ、ソースを作る。
(7)みじん切りのパセリを振りかけ、ご飯とブロッコリを添えて供する。
※ブロッコリの調理法
・小口に切り、塩を入れ沸騰した湯で約3分ゆでる。
・油でショウガと赤トウガラシを炒める。
・ブロッコリを加え、野菜油またはごま油でかき混ぜながら炒め、足りなければ塩を加えて味を調える。
多様な味の組み合わせと食材の使い方

■主要言語:ポルトガル語
ポルトガルは、大西洋に面した細長い国で、変化に富んだ自然があります。
魅力的な海岸線や浜辺、快適な気候、美しい古都や村々、
そしてそこに秘められている歴史と文化は人を魅了してやみません。
街角で耳にする民族音楽ファドの多くは人生の情感を歌います。

カルディラーダ(中央手前)ブラシ風バカリャウ(奥左)
この国の最も一般的なスープのひとつが「カルド・ヴェルタ」です。これはミーニョ地方から始まって、全国で作られるようになったものです。チリメンキャベツとジャガイモ、ソーセージなどが入っています。
また、この国は魚料理も多く、とくにタラの干物を使った料理がよく食卓にのぼります。その料理法は祖母から母へ、母から娘へと受け継がれてきたものと言われています。

マヌエラ・但馬さん
日本に来て31年。刺身や寿司などの和食が大好きな私にとって、当然しょうゆもなくてはならない調味料です。鶏肉とピーマンの炒め煮はしょうゆを加えて和風にアレンジしてみたら大好評。米もよく食べる国なので、ポルトガル風鶏の炊き込みご飯にも入れたりと、いろいろ楽しんでいます。
(1998年7月22日)
●材料(6人分)
・鶏もも肉(骨なし)・・・・・・・・・・・6枚
・タマネギ・・・・・・・・・・・・・・・・5個
・ピーマン、あれば赤、黄、緑、オレンジ・・計6個
・オリーブオイル・・・・・・・・・・・・・大さじ3
・キッコーマン特選丸大豆しょうゆ・・・・・大さじ4又は味をみて増す
・塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
・コショウ・・・・・・・・・・・・・・・・少々

●作り方
(1)鶏もも肉は食べやすいように半分に切る。
(2)タマネギは薄切り、各ピーマンも1cm幅の細切りにする。
(3)鍋にオリーブオイルを入れて熱し、タマネギ、鶏もも肉、ピーマンをのせ、塩、コショウをする。フタをして10分間加熱する。
(4)しょうゆで味付けする。フタをして弱火で約10分煮る。
アジアの影響を受けた伝統料理

■主要言語:英語、アフリカーンス語、ズールー語、コサ語
全体的には1年を通じて温暖ですが、高山の山頂には降雪が見られます。国立公園として保護されている低高原地帯には世界最大級の種類と数の野生動物が生息しています。また、海の動物も保護されており、クジラやペンギンなどの姿を見ることもできます。

レーズン入りイエローライス(前左) ボーボティ(後左)
牛乳のタルト(後右) トマトときゅうりのサンバル(前右)
この国の伝統料理にケープマレー料理があり、アジアの影響を受けています。
その代表的な料理のひとつが「ボボティー」で、カレーに使うスパイスなどを利用しています。また、この国は豊かな果物に恵まれ、ジュースや缶詰、ドライフルーツ、ワインなどにします。

リオネ・ファンニーカークさん
南アフリカは、世界中の船の寄港地として有名で、各国のスパイスがたくさん入ってきます。このボボティーにそんないろいろなスパイスと、私の国の新しい味・しょうゆを加えると香りよく仕上がりますね。
(1996年5月17日)
●材料(8人分)
・たまねぎ……………1と1/2個
・無塩バター…………大さじ2
・カレー粉……………大さじ2
・ブラウンシュガー…大さじ2
・ターメリック………小さじ2
・にんにく……………1片
・しょうが……………5g
・しょうゆ……………大さじ1
・食パン………………2枚
・牛乳…………………125cc
・牛ひき肉(赤身)…1kg
・レモン汁……………小さじ2
・干あんず……………8個分
・刻みアーモンド……30g
・オールスパイス……小さじ1
・こしょう……………小さじ2/5
・ナツメグ……………小さじ1/5
・ベイリーフまたはレモンリーフ…3枚
・卵……………………3個

●作り方
(1)たまねぎ1と1/2個を7~8mm角に切り、無塩バター大さじ2で炒める。
(2)(1)にカレー粉、ブラウンシュガー、ターメリック、つぶしたにんにく、おろししょうが、しょうゆを入れ、汁気がなくなるまで煮詰める。
(3)耳を除いて細かくちぎった食パンを、牛乳に浸しておく。
(4)牛ひき肉(赤身)、(2)、(3)にレモン汁、細かく刻んだ干しあんず、刻みアーモンド、オールスパイス、こしょう、ナツメグを加えてよく混ぜ合わせる。
(5)油少々をしいた耐熱皿に(4)を入れ、スプーンの背で平らにし、ベイリーフまたはレモンリーフをのせる。
(6)卵、牛乳を泡立て器でよく混ぜ合わせ、(5)の上に注ぐ。
(7)オーブンを190度に熱して(6)を入れ、約45分焼く。
食事は楽しい社交の場

■主要言語:アラビア語
ピラミッドやツタンカーメンの財宝で有名な古代エジプト文明の時代から5000年の歴史を刻んでいます。国土の97%を砂漠地帯が占めますが、ナイル川流域は肥沃で緑豊かな農業国の風景がひろがっています。エジプトの自然は厳しく美しいといわれます。

ビーフシチュー(手前右)モロヘイヤスープ(中央奥)
エジプトライス(奥左)ムサカ(手前左)
この国の料理はたっぷりと時間をかけて調理され、たんねんに盛りつけられます。メインは肉料理が多く、サフランで色づけされたライスなどに盛りつけたり、パンをそえたりします。
また、野菜を使った料理が多いほか、魚料理はこんがりと焼いたナイルの川魚が知られています。このほか果物や乳製品などが食卓を飾ります。
そしてこの国の食事は楽しい社交の場となります。

オムネヤ・アフィーイさん
エジプトの料理はモロヘイヤやオクラをはじめとした野菜をたっぷりと使います。このビーフシチューも、ふだんはトマトソースと野菜を加えてご飯にかけて食べています。今回はシンプルに牛肉だけを煮込み、しょうゆの風味豊かに仕上げました。
(1998年5月20日)

エジプトの家庭ではほとんどまな板を使わないそうで、アフィーイさんは手の中で器用に玉ねぎをスライス。見事な包丁さばきで、薄い半円のような形に切っていきます。こうすると切り口が大きくなり、玉ねぎの汁がたくさん表面に出て、味も香りもさらに引き立ちます。トマトソースを加えたり、野菜を加えたりして、さまざまなバリエーションもお楽しみいただける、エジプト風ビーフシチュー。今夜のおかずに、ぜひどうぞ!

●材料(4人分)
・牛肉・・・・・・・・・・500g(脂肪分の少ないもの)
・タマネギ・・・・・・・・大2個
・ニンニク・・・・・・・・大さじ2(みじん切り)
・コーンオイル・・・・・・大さじ9~10
・水・・・・・・・・・・・4カップ(弱)適宜
・キッコーマン特選丸大豆しょうゆ 大さじ2
・塩・・・・・・・・・・・少々
・コショウ・・・・・・・・少々
●作り方
(1)牛肉は5cm角に切り、大さじ5のコーンオイルで薄く焦げ色がつくまで焼く。
(2)ニンニクを加えて蓋をし、弱火で10分蒸し煮し、水1カップを加える。
(3)15分ごとに1カップ位の水をヒタヒタになるように加え、時々かき混ぜながら1時間煮る。汁気はあまり残さない。
(4)タマネギは輪切りにして、さらに2~4等分にする。大さじ4~5のコーンオイルで茶色の焦げ色がつくまで炒め、ビーフシチューに加える。
(5)しょうゆ、塩、コショウを加え、さらに10分かき混ぜながら煮る。
北米・中南米
豊かな農産物と楽しい食事

■主要言語:英語
アメリカ人の好きなスポーツは野球やフットボール、バスケットボール、アイスホッケーなどで、大半がこの国で生まれました。また、音楽ではジャズやブルース、カントリー&ウエスタン、そしてロックンロールを生み出し、アメリカの音楽文化を形づくりました。

チキンのチリラブ・ミネソタのワイルドライス(前)
オールドファッションドパンプキンパイ(後左)
中西部風ホウレン草のサラダ(後右)
この国では、会食やバーベキューなど、親しい仲間が集まって気取らない食事を楽しみます。手軽な食べ物には人気があり、インスタント食品もよく食卓に登場します。
外食としても24時間レストランやファーストフード店を頻繁に利用します。
食材には豊かな肉類や野菜、果物、海産物などがあり、流通や保存技術の発達により、高い鮮度を保ちつつ家庭の食卓にのぼるようにもなっています。

ジェニファー・ランカスターさん
このバーベキュー(チキンのチリラブ)は、パリッと焼き上げた鶏肉と隠し味にしょうゆをきかせたソースがよく合います。しょうゆはハンバーガーやフライドライスなどにも使われ、アメリカの家庭に人気の調味料なんですよ。
(1996年3月12日)
食に見るアステカの面影

■主要言語:スペイン語
広大な砂漠やサボテンの原野、原色の花が咲き誇る盆地、そして緑濃いジャングル。メキシコの自然は実に多彩です。メキシコの人びとは、とくに野球やサッカーに熱狂し、国中の町や市は自分たちのチームをつくって楽しんでいます。

メキシコ風焼き豚(後中央)野菜サラダ(前右)トスタダス(前左)
ワカモレ(中央)オルチャタ-米を使った飲物(後左)サルサ(後左端)
メキシコの日常的な食事は、祖先のアステカの食べ物とよく似ています。
基本的にはトウモロコシと豆とトウガラシです。
祭日の料理のひとつは、シチメンチョウに、チョコレート、ゴマ、トウガラシ、香辛料でつくったソースのモーレをそえたものです。
アボカドやバナナ、パパイヤなどの果実は生食だけでなく、ゆでたり、フライにしたり、シチューにしたりします。
沿岸でとれる魚もフライにするなどして、よく食べられます。

イルマ・アラウス・デ・ミワさん
これ(メキシコ風焼き豚)は、メキシコの代表的な家庭料理。私の国ではしょうゆが注目されていて、肉の下味をつけるのによく使われています。しょうゆは料理の味をやさしくしてくれますから。
(1995年10月19日)
文化や風土が生み出す食の地方色

■主要言語:ポルトガル語
ブラジルの国技はサッカーです。ワールドカップでもブラジルのチームはつねに世界最強のレベルにあります。この国の男の子たちはプロ選手を夢見て近所の空き地や遊び場でボールを蹴っています。音楽ではボサノバが有名で世界の人びとに愛されています。

ブラジル風小さいシュラスコ(前右)ファロファ(前左)
魚とエビのムケッカ(後左)マンジオカの粉のおかゆ(後右)
ブラジルでは昼食に多くの料理を食べ、朝と夜は簡単な食事をとるという家庭が見られます。
昼食は肉料理の他にご飯、豆、野菜の料理がたびたび食卓にのぼります。
飲物の嗜好は、子供はソフトドリンク、大人はビールが一般的です。
ブラジルは地方ごとに郷土色があり、北東部ではアフリカ料理の伝統をひく料理、牧畜の盛んな南部では牛肉料理が比較的多く食べられています。
また、都市生活者たちは加工食品もよく利用しています。

イルセ・ラインデッカー・デ・リマさん
日本で最近ブームのシュラスコ。私の国ではしょうゆを、サラダのドレッシング、肉や魚の下味にと幅広く使っています。
(1995年6月15日)
南アメリカの気風とヨーロッパ伝統食との融合

■主要言語:スペイン語
世界でも珍しい細長い国土のために、多様な風景や気候、動植物が見られます。2,000以上の火山があり、そのうち約50が活火山で、地震国でもあります。
この国では、ヨーロッパ文化の伝統と南アフリカの気風があいまった豊かな文化的伝統が受け継がれています。

カルディジョ・デ・サルモン(中央)フラン・デ・ココ(奥)
エンパナーダは、ヨーロッパの伝統を受け継いだ料理です。
この料理は、タマネギやトウガラシなどを使った、肉や魚貝、野菜などのパイ料理です。
一方、魚料理では鮭がよく用いられています。
アルコール飲料としては自国のワインがよく飲まれています。

エリアナ・アルバレスさん
チリの自慢料理と言えば、何といってもエンパナーダで私の国のおふくろの味といったところ。独立記念日にはワインとともに必ずいただきます。中身の味つけにしょうゆを加えるとコクがでますね。
(1996年6月14日)
●材料(20個分)
[生地]
・薄力粉 1kg
・生クリーム 80cc
・白ワイン 80cc
・全卵 1個
・卵黄 1個
・熱湯 1と1/2カップ
・ラード 1カップ
・塩 大さじ1
[たね]
・油 大さじ2
・たまねぎ 4個
・パプリカ 小さじ1
・チリパウダー
小さじ1/2
・クミンパウダー
小さじ1/2
・オレガノ(ホール)
小さじ1/2
・牛ひき肉 1kg
・しょうゆ 60cc
・小麦粉 大さじ2
・固ゆで卵 3個
・干しぶどう 150g
・オリーブ(種なし)
20個
・卵白 少々
(ツヤ出し用)
●作り方
(1)ボウルに薄力粉1kgを入れ、白ワイン・生クリーム各80cc、全卵1個、卵黄1個(残った卵白は後でツヤ出しとして使用)を加えてよく混ぜる。
(2)熱湯1と1/2でラード1カップ、塩大さじ1を溶かし、粗熱がとれるまで混ぜる。
(3)(2)を(1)に少し加え、手粉をふってこねる。これをくり返し、固くなったら15分ねかせ、20等分して薄い円形にのばす。
(4)フライパンに油大さじ2を熱し、たまねぎ4個のみじん切り、パプリカ小さじ1を入れ、しんなりするまで炒める。チリパウダー・クミンパウダー・オレガノ(ホール)各小さじ1/2を加え、牛ひき肉1kgを少しずつ入れて弱火で炒め、しょうゆ60ccで調味し (水気があれば小麦粉大さじ2を加える)冷ます。
(5)固ゆで卵3個は1cm角にし、干しぶどう150gは水でもどしておく。
(6)打ち粉をして(3)をおき、下半分に(4)大さじ1~2、(5)適量、オリーブ(種なし)1個の順にのせる。縁を水でぬらし、上半分をかぶせてくっつけ、卵白少々をぬる。残りも同様に。
(7)紙をしいた天板に(6)を並べ、200度オーブンで焦げ目がつくまで焼く。
※中につめる具は、前日に作っておくと、味がしみこんでいっそうおいしい。
※生地の薄力粉1Kgのうち、1カップは別にしておき、こねる段階で調節するとよい。
アンデス地方のクリオーヤ料理

■主要言語:スペイン語
地理的に見ると小さな国ですが、変化に富んだ地形や多様な気候帯を持ち、珍しい動植物も少なくありません。ガラパゴス諸島やアンデス山脈、アマゾン川流域といった特徴的な自然でエクアドルは構成され、国はその保全に取り組んでいます。

バナナのフリッター、エクアドル風(中央手前)
サラダ(中央奥)セビッチェ(左上)
エクアドルでは、ペルーやコロンビアのように、クリオーヤ料理の基本的な特徴を見ることができます。クリオーヤ料理とは、スペインやアフリカなどの料理の影響を受けながら、南米諸国独自の料理として発展したものです。牛や豚、鶏の肉が用いられ、これに新大陸原産の作物が加わります。
スープはさまざまな食材を煮込んでいくのが一般的です。
また、この国は海産物などの豊かな自然食材に恵まれ、揚げ物料理がよく作られます。

ソニア・ヌーニェスさん
エクアドルはまったく違う4つの地方からなる、豊かな自然と食材に恵まれた国です。 この料理(セビッチェ)は南米全体で親しまれていますが、フレッシュジュ-スをたっぷり使って調理するのがエクアドル風。祖母も母もよく使っていたしょうゆを、私もごく自然に取り入れています。
(1998年9月8日)

●材料(4人分)
・エビ(皮と背わたを除いたもの)---- 約600g
・レッドオニオン--------約225g、薄切り(スライサーで輪切りの薄切りにした後、4等分する)
・長ネギ--------------約113g(みじん切り)
・トマト生ジュース-----1/4カップ(完熟トマトをミキサーにかけそのまま使用)
・デルモンテ・トマトケチャップ--1カップ
・レモン生ジュース------------約156cc
・オレンジ生ジュース----------1個分
・オリーブオイル--------------1/4カップ
・キッコーマン特選丸大豆しょうゆ---大さじ1と1/2
・マスタード(瓶詰め)-------小さじ1/2
・白コショウ--------------小さじ1/4
・黒コショウ--------------小さじ1/4
・クミンパウダー-----------小さじ1/4
・生ニンニクまたはガーリックパウダー・・・小さじ1
(オリーブ油と一緒にミキサーにかけ、クリーム状にする。)
・塩(ビルカバンバソルト)2:塩1割合・・・小さじ3/4
・イタリアンパセリ(生)・コリアンダー・・・大さじ2(細かく切ったもの)
・薬味水・・・1/2カップ
(ニンニク小さじ1、黒コショウ、クミンパウダー、各ひとつまみ、塩小さじ1/2を加えた水)
・ポップコーン(つけ合わせ)
・トスタド(干しトウウモロコシを揚げたもの、つけ合わせ)
・チフレ(グリン・プランティン・バナナをスライスして揚げたもの、つけ合わせ)
(バナナは皮をむき、斜め薄切り、少し色づく程度にカリッと揚げる。)

●作り方
(1)ガラスのボウルにタマネギとレモンジュースを入れマリネ液を作る。冷蔵庫で冷やしておく。
(2)鍋に薬味水を入れて沸騰させる。エビを一時に4オンス(約115g)入れて、再度沸騰したらすぐに湯から取り出す。これを繰り返してエビを全部ゆでる。エビはゆですぎると縮んでかたくなるので、気をつける。ゆで汁は取りおく。
(3)エビがさめたらマリネ液につける。よくかき混ぜて、マリネ液をエビにまんべんなく絡ませる。
(4)長ネギ、トマトジュース、トマトケチャップ、オレンジジュース、オリーブオイル、しょうゆ、マスタード、白コショウ、黒コショウ、クミンパウダー、ニンニク、塩を全部マリネに加えて混ぜ合わせる。
(5)取りおいたエビのゆで汁1/4カップを加え、よくかき混ぜる。
(6)イタリアンパセリとコリアンダーを加えよく混ぜ合わせる。
(7)冷蔵庫で十分冷やすといっそうおいしい。
(8)ポップコーン、トスタド、チフレを少なくともどれか1種類を添えて供する。
※ビールに最適。アペタイザーとして、軽食としてどんな場合にも合う。
また、パーティの翌日など、二日酔いにも効く。
エビの代わりにチキン、マッシュルーム、パームハーツ、アサリなどを使ってもよい。





