研究開発 森

研究開発
活気ある研究開発現場の中で
これまでにない技術を生み出す
森 日香里
研究開発本部
2020年入社
生物資源環境科学府卒

技術優位性と実現性の両方を意識

私は当社の醸造・発酵技術をベースに、新しい価値をもった食品や調味料の開発に取り組んでいます。また、確立した技術の特許化や、新たな醸造プロセスの実製造への落とし込みに向けた構想・検討も担当業務のひとつです。数年から半年程度の期間で研究目標を設定し、日々実験とその評価を行っています。
研究開発で難しいのは技術優位性と実現性の両方を意識しなければいけないことです。例えば、研究所での試作検討では作業の小回りが利くため、特殊な工程を増やすことができますが、実製造への落とし込みとなるとハードルが上がります。落とし込みにあたって大幅な設備更新が必要であれば、事業化は見送られるかもしれません。研究所での試作の段階からスケールアップ試験を実施して、事業化を見越した研究開発を心掛けています。
研究員としてやりがいを感じるのは、携わった製品や技術が実際に商品化につながった時です。私は数年かけて海外向け新製品の製造プロセス確立に取り組んできました。現地社員の方々との取り組みの結果、ついに実製造がスタート。その様子を現地で見ることができ、入社後最大の達成感を味わいました。

勤務時間の一部を個人プロジェクトに

研究員として恵まれていると感じるのは、周りの研究員一人ひとりが自発的にシーズを生み出す意識をもっているところです。研究開発本部では、勤務時間の一部を個人プロジェクトに割いてもよく、研究員はその時間で新規研究テーマを検討します。その内容を提案する場もあり、内容によってはブラッシュアップのために他部署との連携や外部研究機関へのヒアリングを行うこともあります。そして、テーマが採用されれば、自分の本業務として取り組めるようになります。この取り組みによって、現状に満足せず、発信し続けていく意識が研究員の中に育ち、研究開発の活性化につながっていると感じます。
当社は事業の新しい柱づくりに積極的で、研究開発本部としても使命感をもって取り組んでいます。私自身も幅広い分野の画期的なフードテックを継続的にリサーチしています。挑戦を続け、10年後、20年後にキッコーマンの強みになるような商品や製造技術を開発していきたいと考えています。

Questions

入社動機

大学院で専門としていた微生物の研究に携わりたいと考え、最初は食品だけでなく、化学製品や製薬の業界も見ていました。しかし、その中で気付いたのは、しょうゆが世界各国に普及した商品であることです。手に取る人が多い分、研究成果で社会に大きな影響を与えられると考えて、キッコーマンを志望しました。醸造・発酵技術をもとに、これだけ広く世界に商品を送り出している日本企業は、他にないのではないかと考えています。

一日の過ごし方

朝一番に、メンバー内でその日の実験内容を共有します。実験にはチームワークの面がありますので、作業負担のバランスなどに配慮しながら、手順の確認や役割決めをします。午前午後と実験を進め、平行して部内外のミーティングに参加します。夕方には、実験計画や翌日の作業指示書を作成します。

この仕事に向く人とは?

指示待ちでなく、自ら提案できる人だと思います。研究員には研究テーマに大きな裁量が与えられます。自分からアイデアを提案していけば、おもしろいことにどんどん挑戦できます。内容が認められれば、各部署を巻き込んで取り組みを広げることもできます。研究開発で働くうえでは、自分から提案する姿勢が一番大切だと思います。

メッセージ

就職活動では、必ずしも研究者としての能力の評価だけではなく、相手企業との相性などで合否が決まることが少なくありません。苦戦している時に内定をもらった友人の話を聞くと、自信を失ってしまいかねませんが、それも相性に過ぎないかもしれないのです。自信をもって最後までやり抜くことが一番大切だと思います。ぜひキッコーマンで世界の食卓に新しい美味しさを届けていきましょう!