研究開発 長滝

研究開発
"研究所発"のプロジェクトで
社会課題を見据えた新事業を
長滝 佳風
研究開発本部
2022年入社
工学研究科卒

マーケティングも研究もすべて自分で

私は研究開発本部発で新規の事業をつくることをめざすプロジェクトに参画しています。今進めているのは、SDGsを念頭に、やがて顕在化するであろう社会課題の解決に貢献できる新しい食品の開発です。具体的には、配合や加工条件を変え、試作と評価を繰り返しながら、目的の特性に近づけています。
このプロジェクトでは必要性を自ら判断し、自ら積極的に進めることが求められます。製品そのものの試作や技術開発に限らず、消費者調査を含むマーケティングから発売前の品質評価試験まで幅広くカバーします。どう進めるかが分からない場合には、先輩研究員と相談しながら進めます。進め方が決まっていない難しさがあるものの、自由度も高くおもしろいところでもあります。
心掛けているのはゴールへの道筋をイメージすることです。外部コンサルタントや研究機関からさまざまな情報や助言をいただき参考にしていますが、その中でもブレることなく自分なりの商品のイメージをもつようにしています。また、感覚的なおいしさだけでは試作品の評価が難しいため、客観的・定量的においしさを評価する方法を検討するようにしています。
大学で学んできた専門分野とは異なる技術分野のプロジェクトということもあって、基本的な業務を覚えるところからスタートしたため、製品やサービスとしてかたちに見えるような成果を出すのはなかなか大変ですが、開発が前に進んだと感じた時はうれしいです。試行錯誤を経て自分の取り組んでいた試作品がかたちになり、試食した先輩方がおいしいと言ってくださった時はやりがいを感じました。

基礎研究への注力がありがたい

私がキッコーマンに入って良かったと感じるのは、会社として基礎研究に力を入れていることです。売上などの見えやすく短期的な成果に直結しやすい開発に重点を置く企業が多い中で、研究開発の専門部署を設置し、リソースも多く割いています。
企業が成長し続けるためには、ベースとなる基礎技術の強化が必要不可欠と考えています。長期的な視座に立った経営方針がとられていることは、私たち研究開発の現場にも良い影響をもたらしていると感じます。
SDGsに注目が集まる中でも、日本ではそれらの社会課題との関りが深い製品やサービスの普及がそれほど進んでいません。その一因は味や価格がお客さまに満足していただけるレベルに達していないことにあるのではないかと考えています。現在のプロジェクトを通じて、お客さまに好んでご購入いただけるような質の高い製品や関連する製造技術、サービスを生み出していきたいと思います。

Questions

入社動機

ドイツに留学していた時、スーパーにはほとんど日本の会社の商品がありませんでした。しかし、キッコーマンのしょうゆはありました。その印象があって、就職活動時にもグローバルに展開している企業だと認識していました。
また、いろいろな企業の話を聞く中で、研究開発に力を入れている会社だと知りました。私にとっては理想に近い会社だと思い、入社を決意しました。

一日の過ごし方

6時に起床して、コーヒーを淹れてゆっくり朝食を食べて8時前に出社。午前中は試作と試食会を行うことが多いです。それ以外ではミーティングがあります。部内の打ち合わせのほか、社内外さまざまな方と話します。シンガポールの研究所とも情報を交換しています。その後に、データの取りまとめなどデスクワークをします。また、自らの専門性をより深めるために、現在の研究内容に関連した論文を探し、勉強する時間も設けるようにしています。

この仕事に向く人とは?

知的好奇心がある人だと感じます。試作したものの評価が予想通りにならないこともありますが、そこでなぜその結果が出たのかを問い続けなければいけません。いつもなぜ、なぜと考えています。
一方、研究所内には大型の機械がたくさん置かれ、その掃除などの単純作業もあります。すべての作業を前向きに捉えることも大切だと思います。

メッセージ

就職活動は思った通りに進まないことが多く大変だと思います。実際に、私も書類選考や面接がなかなか通らず苦労しました。今振り返ると、就職活動ではどれだけ相手の会社について調べ、エントリーシートや面接の対策をしたかという努力量が重要だったと感じています。一社一社しっかり準備して臨んでいただくことが、悔いのない結果につながると思います。